SUVというと、国産・輸入車問わず3ナンバーサイズは当たり前、そのほとんどが大柄なボディになっています。そんな中にあって、5ナンバーサイズのコンパクトSUV、トヨタのラッシュは貴重な存在です。今回は、ダイハツが開発および生産を担当し、OEMとしてトヨタに供給されるラッシュをご紹介します。

2006年1月に登場したラッシュ。「タフ&カジュアル スポーツ・ユーティリティ・ワゴン」をテーマに、SUVの走破性やコンパクトの気軽さ・使い勝手、ワゴンの機能性を高い次元で融合させることを目指して開発されました。

コンパクトなボディで取り回しが良く、最小回転半径は4.9m。着座位置を高くすることでアイポイントを高め、広い視界を確保しています。ボディはコンパクトながら車内は広々。大人4人が快適に過ごせる空間をもち、ラゲージも380Lの容量を確保しています。

エンジンは直4の1.5Lで、ミッションは4ATを基本に4WDモデルのみ5MTが選べます。その4WDシステムですが、都会的なスタイリングとは裏腹に本格的なシステムが奢られています。

センターデフロック付きのフルタイム4WDを採用し、横滑りなどを感知し、出力やブレーキを自動的にコントロールするVSCも設定。走破性に関しては非常にハイレベルで、簡易的な4WDシステムとは別格の本格派です。

中古車相場においては、数少ないコンパクトSUVという強みがあってか、これまで高値安定だったのですが、さすがに登場から5年以上が経過したことで、ようやく狙いやすい状況になってきました。

上級グレードにあたる1.5Gの新車時価格は176.4万円なのですが、修復歴なし+走行4.5万kmの中古車が77万円と、半額以下どころか、約100万円安い価格で売られています。コンパクトサイズの本格SUVをお探しなら、ぜひこの車を本命に考えてみてはいかがでしょうか?

Text/金子剛士

トヨタ ラッシュ

外装は、ワイドで押し出し感の強いフロントバンパーやホイールフレアによりダイナミックさを表現。オーバーハングの短さも特徴のひとつ

トヨタ ラッシュ インパネ

インテリアは、SUVらしい骨太さを感じさせる造形をベースに、いたるところにメタル調の加飾を施し、上質感とスポーティ感を演出している

トヨタ ラッシュ シート

全長4m未満の短い全長ながら、大人4人がゆったり過ごせる空間を確保。シートアレンジも多彩で、状況に応じた幅広い使い方を可能にしている