取らぬカスタムの皮算用?

  • N BOXカスタム スタイル|ニューモデル試乗
  • N BOXカスタム 立体駐車場|ニューモデル試乗
初代ダイハツ タントの大ヒットによって強力な存在感を獲得したウルトラハイトワゴン系。定義は諸説ありますが、全高1700mm以上のボンネットを有するハッチバック(クロカン・SUV除く)といったところが妥当でしょう。モデルでは、タントシリーズ、スズキのパレットシリーズ、三菱のトッポがあり、そこに遅れて参戦したのがホンダ N BOX/N BOXカスタムです。 「軽自動車で片道100km超の行程はさすがにちょっとしんどいか…」と思っていましたが、高速道路での加速、巡航ともに拍子抜けするほどストレスなくこなせました。不快な音や振動も“しんどい”を感じるレベル以下。今どき軽の走りを軽んじてはいけません。気になったのは横を走るトラックの風圧や横風でやや車体が振られるところくらいでした。

広すぎるくらい広い室内、良好な乗り味、日本の道路では必要十分なパワー。決してスリムではない大人2名乗車&高速道路メインの快速クルーズで12.0km/L(満タン法による計測)という燃費性能。普段使いの足として、時々ロングドライブの友として、N BOXカスタム Gターボパッケージは申し分のない1台といえるでしょう。あの独特のデザインさえ気にいれば。
  • N BOXカスタム シート|ニューモデル試乗
  • N BOXカスタム シートアレンジ|ニューモデル試乗
とここまで書いて、標準車とカスタムの販売台数比率が気になったので調べてみました。1月11日付けのホンダのリリースによると、発売から1ヵ月後の比率は50:50。購入層は30代から40代の子育てファミリーを中心に、年齢、性別を問わず幅広いそうです。カスタム、売れているんですね。そういえば、先日行われたホンダ ステップワゴンのマイナーチェンジでも、カスタムに相当するスパーダの“カスタム感”が一層強化されていました。
  • N BOXカスタム 給油|ニューモデル試乗
  • N BOXカスタム 燃料計|ニューモデル試乗
中古車市場では需要と供給で価格が決まるので、“あのデザイン”を好む人が多ければ多いほど、標準のN BOXの相場が下がる可能性は高まります。標準車にターボは設定されていませんが、あの広すぎる室内に免じて良しとするなら、中古車の流通量が増えるまでもう少し様子を見るのも一考です。N BOXカスタムのデザインになじめなかったことで、おいしい標準車の中古車と出会えるかもしれないのですから。
Text&Photo/カーセンサー編集部デスク・中野剛