お手頃ながらカーライフにゆとりをもたらしてくれる車選び

一般的にデビューから時間が経ったものは値落ちしますし、不人気なものは中古車相場が下がります。特段、値落ち率にこだわることなく、“50万円で得られるカーライフ”に重点を置いて選んでみました。個性あふれる車は一緒に時間を過ごす相棒として、豊かさをもたらしてくれるものと信じております。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第5位はBMW Z3(絶版)。映画「007/ゴールデン・アイ」でデビューを飾った、コンパクトなオープン2シーターです。Mエンジンを搭載した「Z3 Mロードスター/クーペ」などはバリバリのスポーツカーでしたが、Z3はもっと“緩い”車と表現しても差し支えないと思います。今まで積極的にオススメしたことはありませんが、50万円台という予算では抜群のコストパフォーマンス!デビューからの時間が経ち、脂が抜けた雰囲気で非日常のオープンエアを満喫できます。

第4位はミニ(旧型)。BMWがミニブランドを取得して初めて手掛けたモデルです。BMW車に求められる走行性能、安全性、そして快適性(車内の広さ)を追い求めながら“現代版ミニ”として味付けされています。可愛らしさはそのままに、オリジナルの良さと個性を上手に引き継いでいます。驚くのは乗り心地の“感触”で新しく生まれ変わったにもかかわらず、オリジナル・ミニっぽさが漂っています。旧型モデルとなって、中古車相場も下落中です。

第3位はルノー カングー(旧型)。もともと商用車として開発されていますから、使い勝手抜群のコンパクト・ハイトワゴンです。1.4Lエンジンを搭載した前期型がメインターゲットになりますが、たまに1.6Lモデルの後期型も購入可能範疇に入ってきます。自由な使い方ができるという点では、トヨタハイエースのような存在かもしれません。「車で遊ぶ」というコンセプトが似合う車だと思います。重心の高さを意識させない走りが、思いのほか気持ち良いです。

第2位はM・ベンツ Cクラス(旧型)。もう50万円台でも狙えるんですね!「M・ベンツ」のエントリーモデルにあたるコンパクトセダンですが、走りの質は“エントリーモデル”ではなく「本物」です。路面の凹凸を上手く吸収しながらもドライバーへインフォーメーションがしっかり伝わる足回り、どんな速度域でも安定して快適なんです。結果的には、“疲れ知らず”を実現しています。若々しさを演出するための内装デザインも、50万円台なら文句はありません(笑)。

第1位はアウディ A4(旧々型)。かつて現行モデルだった頃、M・ベンツが若々しさを、BMWは洗練を求め、アウディは新世代の質実剛健さにアイデンティティを見出したように感じます。ちょっと硬い足回りは低速域から乗る人間を高揚させ、高速域では抜群の走行安定性を見せつけてくれます。もう2世代前となっていますが、モデルチェンジのやり方が上手く“分かる人にはわかる”という感じで古臭さがありません。50万円の車とは、誰にもわかりません。

Report / 古賀 貴司