新車時には諦めがちでも中古車になれば狙いやすさ倍増

新車には「定価」がありますが、中古車はシビアなまでに需要と供給が価格に反映されます。なかには、中古車になって"格下"モデルと変わらない相場になっている高級車も少なくありません。新車時に高嶺の花に感じていても、中古車ならリーズナブルになっているものが意外とあるんです。もちろん、単にリーズナブルだからではなく、ランクインした車はそれぞれに個性と魅力があります。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第5位は日産シーマ(絶版)。威風堂々とした日産パーソナルセダンの最高峰です。現在ではフーガがそのポジションを担うことになって、惜しまれつつも絶版。ライバルであるトヨタセルシオと比べ、販売台数は僅かでしたからしょうがないんでしょう。そういう意味では不人気と言えるかもしれませんが、コンパクトカーを新車で買う予算があれば十分狙えるってリーズナブルだと思いません?パワフル、静か、快適でどんな場面でも活躍してくれます。

第4位はポルシェボクスター(旧型)。新車時価格はボクスターより安かったホンダS2000の中古車と同程度、もしくはそれ以下でも流通しています。ポルシェといえばRRの911というイメージが強いですが、ボクスターはエンジンをミッドシップにレイアウトした"新生ポルシェ"かもしれません。絶対的パワーや速さはポルシェのヒエラルキーに支配されていますが、正真正銘のスポーツカーです。リニア感溢れる走り、キッチリカッチリした制動力、スポーツカーとしての上質さは本物です。

第3位はAMG Eクラス(旧型)。さすがに新しめのE63はまだ高いですが、スーパーチャージャー付きエンジンを搭載したE55は200万円台から狙えます。新車時価格1200万円オーバーの高級スポーツセダンですよ!たしかに旧型モデルではありますが最高出力476psのバケモノ、もとい、モンスターマシンです。スーパーチャージャーは急加速のたびに"ブヒッ"というサウンドを発し、特徴的です。トヨタセルシオと変わらない中古車相場は、バーゲンです。

第2位はトヨタセンチュリー(現行)。国産車唯一の12気筒エンジンを搭載した、トヨタ最高峰マシンです。はい、大排気量でそれなりの維持費(燃料代、税金)がかかるでしょう。でも、スーパーカーを保有していると思えば破格です(笑)。なんといっても12気筒エンジンですし、トヨタグループが誇る最高レベルの職人集団による技芸の結晶です。外の世界との乖離(かいり)こそが高級感、というトヨタの考えが明確に伝わる異次元の車内空間です。個人的に狙っています!

第1位はポルシェカイエン(旧型)。ポルシェがSUVを投入すると聞いて、こんなに大成功を収めるとはよもや想像できませんでした。事実、新車はあっという間に売り切れてしまい、中古車市場でもしばらく値落ちしませんでした。ただ、そんなカイエンも2代目が投入されたとあって、旧型前期モデルの相場が大分こなれてきた印象があります。それこそ最高峰のターボモデルでさえも300万円台後半から狙えるようになりつつあります。ルックスは依然1000万円級。

Report / 古賀 貴司