日本人のミニチュア文化が宿る車たち

日本独自の規格内で進化を遂げてきた軽自動車。税制面で優遇されていて、公共交通機関が充実していない地方では重宝されています。個人的には軽自動車規格の排気量をアップさせれば、世界戦略車としてのポテンシャルが格段に上がると思っています・・・。ガラパゴス日本のスーパーコンパクトカー、ユニークなものがゴロゴロしています。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。遊び車も、実用車も、趣味車もバッチリそろっています。


第10位はマツダAZ-1(絶版)。こんな車、二度と出ないと思います。ガルウィングをもつ、スーパーカーの軽自動車です。当時のラインナップからパーツを寄せ集めたとはいえ、凄い車でした。すでにコレクターズアイテムと化している様子で、中古車相場は高値安定しています。パワーステアリングはありませんし、ターボラグはえげつないし、ルックスのみならず走りも癖のある車です。一般的に“無難”な車が多い国産車ですが、ジャジャ馬っぷりは愛おしく感じます。


第9位はスズキジムニー(現行)。抜群の人気でスズキからしてみれば宣伝する必要がないほど、らしいです。本格オフロード性能を兼ね備えた軽自動車って、なかなかありません。海外でもさまざまな場面で、農場や未舗装の田舎町で活躍していることに驚かされます。軽自動車という枠内で、これだけのクロカンを作れたのは「日本の誇り」とさえ言えるでしょう。すっきりしたデザインでクロカン特有のゴツさはなく、愛橋すら漂っています。脱力系な癒しも期待できますね。


第8位はスマートK(絶版)。ヨーロッパ人が考えた、ミニマリズムを追求した車の姿です。フツーの車が縦列駐車しているところに、スマートKなら直角に駐車できるという発想は衝撃的でした。スマートKはバンパー回りを変更して、日本の軽自動車規格に収まるようになっていました。見た目とは裏腹に、高速安定性は“さすが”です。ヨーロッパでは高速道路を疾走する姿をよく見かけます。新車時は割高に感じたものですが、中古車ならかなりリーズナブルです。


第7位はダイハツコペン(現行)。メタルトップをもつオープン2シーター軽自動車というだけで、拍手喝さいものです。メタルルーフ、ボディ補強などで軽快感には若干乏しいのですが、オープンエアを満喫しながら走る爽快感はお見事。重心が抑えられていて、思いのほか気持ち良い走りを満喫できます。機械のラインを作るよりも職人が手作業で作ったほうが効率的、という理由で多くがハンドメイドです(笑)。いずれ再評価される軽自動車と言ってもいいでしょう。


第6位はスバルサンバーディアスワゴン(現行)。日本車唯一のRR(リアエンジン・リアドライブ)ということもポイントです。良い意味で玩具っぽさが漂っていて、ワクワク感を感じさせてくれるんです。ヘンにステアリングが軽いのも、笑えてくるんです。シートは折り畳めばフルフラットの荷室になるので、思いのほか使い勝手も良く、兄弟車のサンバーが商用車として活用されているのもうなずけます。トヨタハイエースが大きすぎると感じる人は、ぜひ!

Report / 古賀 貴司