ちょっと贅沢なファーストカーが幸せをもたらす

50万円といえば、ちょっとした高級腕時計の値段です。それでも中古車なら、あんな車やこんな車が狙えるんです。初ボーナスで買い物計画を立てている新社会人の皆さん、バイトに勤しんで遊ぶことを計画している大学生の皆さん、50万円で車を買ってみませんか? マイカーで出かける醍醐味は、初めて自転車に乗ったときのように行動半径に広がりをもたらしてくれます。公共交通機関では知りえなかった旅路、発見してください。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。


第5位はトヨタクラウンロイヤル(旧々型)。オヤジ車と侮ってはいけません。セルシオにも負けない静粛性、フラットライドを追求した末のふんわりした乗り味、低速トルクを重視した独特の加速感。アウトバーンをぶっ飛ばすようには設計されていません。料亭のひじ掛けを彷彿とさせるアームレストと“殿様スタイル”をさせてくれるシートアレンジ、かゆいところに手が届くエアコンの首振り機能、安くても本物のジャパニーズ・ラグジュアリーが味わえます。


第4位はM・ベンツCクラス(旧々型)。ピンポイントで後期型のC240をオススメします。そこそこにパワフルな2.4LのV6エンジンはシュンシュン回りますし、快適さと踏ん張り強さを両立させた足回りは新しいM・ベンツの幕開けを感じさせます。コストカットが目立つうんぬんの指摘がなされたモデルではありますけど後期型でリファインされましたし、50万円で買える中古車として考えれば立派な高級小型セダンです。ゲタっぽく乗るのがカッコいいでしょう。


第3位はスズキジムニー(現行)。最近、日本のあらゆるものがガラパゴス化していると一部で騒がれているようですが、ジムニーはガラパゴス化の素晴らしき産物かもしれません。日本独自の軽自動車という規格に収まりながら、世界が驚く本格クロカンに仕上がっています。日本のミニチュア文化が反映された感じでしょうか? しかも昨今の車ではなかなか味わいにくい“運転しているぞ”感が新鮮。ドライバーに達成感をもたらす車、国産車ではレアです。


第2位はスバルレガシィツーリングワゴン(旧型)。ベラボーに速いわけではありませんが、スポーティな走りという点ではヨーロッパ勢に劣らないでしょう。ただ、良くも悪くも重厚感には乏しいです。実用的なステーションワゴンでありながら「走る」、「曲がる」、「停まる」という運動性能に対して、真面目に開発されている印象を受けます。アンダーパネルの空力にもちゃんと手を入れています。飽きのこない内外装デザイン、古臭さを感じさせません。


第1位はBMW3シリーズ(旧型)。50万円ぽっきりで、模範的スポーティセダンが狙えるんです。前後重量配分約50:50は謳い文句ではなく、ホントに気持ちの良い走りを満喫させてくれます。ドライバーの操作に忠実に反応し、ちゃんと荷重移動させると見事な走りっぷりです。足回りは“しっかり仕事している”と感じさせる不快感のない硬さで、絶妙な味つけがなされています。良いモノを早いうちに知る、という点で大学生に特にオススメしたいです。

Report / 古賀 貴司