屋根も幌もない! スマート随一の個性派フルオープン

エコな時代にピッタリのシティコミューターとして、世界中ですっかりおなじみの存在となったスマート。現在はフォーツーとカブリオの2種類しか発売されていませんが、これまでには一風変わったルックスのモデルがいくつか登場しています。今回はそのなかから、もっとも変わり種といえる、屋根も幌もないフルオープンモデル、クロスブレードをご紹介します。

2001年2月のジュネーブモーターショーに、コンセプトモデルとして登場したクロスブレード。あくまでショーカーだろうと思われるほど奇抜なスタイルでしたが、2000台の限定生産という形で発売されました。初代フォーツーをベースに、屋根やフロントウインドウ、ドアが取り払われており、雨が入り込んでも大丈夫なように、室内は防水対策されています。
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日本で発売されたのは2002年5月。25台が抽選式で限定発売され、同年10月にデリバリー開始となりました。新車時の価格は265万円。さらに2003年1月に34台が再び限定発売(抽選ではなく通常の予約式、デリバリーは3月)されました。正規輸入されたのは、このわずか59台のみということになり、まさにレア中のレアといえるモデルです。

ウインドウの部分には、代わりにリフレクターを装備。サイドにはドアに代わって、サイドセーフティバーが装着されています。撥水素材のシート、樹脂製の床パネルで防水性は高められていますが、基本的に雨天や降雪時は走行すべきではないでしょう。駐車時用に、脱着が簡単なナイロン製のトノカバーが標準で装備されています。

エンジンは、フォーツーに搭載されている598ccの直3SOHCインタークーラー付きターボエンジンをチューニング。最高出力は15psアップして70psに、最大トルクは同じく1.9kg-mアップして、10.1kg-mとなっています。トランスミッションはMTモード付きの6AT。足元は専用の16インチアルミホイールに、扁平率の高い専用タイヤが装着されています。
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原稿執筆時点で、カーセンサーnetに掲載されているクロスブレードは、わずか3台。相場は希少車らしく高値安定で、198万~250万円。新車時価格とほとんど差がありません。それもそのはずで、走行距離は多くても3000km台。もちろん修復歴などありませんから、全台とも新車に限りなく近いコンディションの中古車といえるでしょう。

個性的なルックスのスマートシリーズのなかでも、とびきり注目を集める一台であるクロスブレード。愛車にすれば、いまでも街中の注目を浴びること必至です。周りの誰とも違う、個性的な一台に乗ってみたいと考えている方は、下の検索窓に「スマート クロスブレード」と入力し、検索してみてください。


Text/渡瀬基樹