味わい深いネオクラシックベストテン《前編》【なんでもベスト10】
カテゴリー: クルマ
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2010/04/26
これ以上古臭くならず愛着すらわく車
車は電化製品にも似ていますが、ファッションにも似ています。新しいものが登場すると、それまでの車は性能的にも見映えも古臭くなります。技術的な面でいえば、新しいものが良いのは当然の流れかもしれません。しかし見た目に関しては、時間がたつにつれ珍しく思えたり、ノスタルジックな気分に浸らせてくれます。しかもある程度古くなると、新型車が登場するたびにネオクラシックな雰囲気に"重み"が増していくようにさえ思います。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。
第10位はフィアットバルケッタ(絶版)。フィアットが当時ラインナップしていた車のパーツを寄せ集めた、見事な流用作品です。まるで小型ヨットのようなシルエット、シンプルだけどセンスの良さを感じさせるインテリア、ホント見事なデザインです。小さなボディサイズの割に、小回りは利きません。風の巻き込み量も、昨今のオープンカーでは考えられないほど"ナチュラル"。古い車ではありませんが、昔の車っぽさを味わえます。それが楽しいんです。
第9位はM・ベンツ190シリーズ(絶版)。それまでM・ベンツが手を出さなかった、コンパクトセダンのカテゴリーが190シリーズで切り開かれました。当時のSクラスをギュッと凝縮した雰囲気はルックスだけでなくガッチリしたボディ、スプリングの"巻き"が多いように感じさせる滑らかながらシッカリした足回りなどから伝わってきたものです。装備内容に大したハイテクはなく、飽きがこない質実剛健さが特徴です。いつまでも乗れそうな一台です。
第8位は三菱プラウディア(絶版)。現在の三菱では考えられない、贅沢なフラッグシップモデルでした。V8エンジンに直噴、巨漢ボディにFFを採用と、当時としては画期的な取り組みがなされた車でした。販売台数と開発コストを考えると、割の合わない車だったかもしれません。販売力が不足していたのか、三菱グループの役員車として以外、あまり売れなかったとまことしやかに語られています。中古車市場での流通台数も極薄です。今のうちに狙いたい"遺物"です。
第7位はデイムラーダブルシックス(絶版)。「シリーズ3」と呼ばれるダブルシックスは、すでにネオクラシックとしてエンスーから人気を集めています。担当者があえてオススメするのは、コードネーム「X300」と呼ばれる新しめのダブルシックス最終モデルです。エンジンは伝統の6LのV12気筒に、信頼性の高い日本製部品を多用しています。パワステが弱かったり、超フロントヘビーで運動神経が悪かったりしますが、こんな車、この先出ることはありません。
第6位はトヨタWiLL Vi(絶版)。デビュー当初、"なんじゃこりゃ"という思いが強かったんですが、今見ると思いのほか個性的。車としての性能はヴィッツ譲りですから必要最低限は揃っていますし、移動の手段としては十分です。コンパクトカーも十分な広さや性能をもつようになった時代において、「どうやって差別化を図るか」が当時のWiLL Viに課された命題だったのかもしれません。結果的には失敗に終わったようですが、今から乗るのはアリです。あの奇抜さ、普遍ですから。