電動ソフトトップを搭載した4シーターオープン

今年、新たに登場したゴルフVIは実に評判の良い車で、完成度の高さは目を見張るものがあります。コンパクトカーのグローバルスタンダードとしての地位を、ますます盤石にするモデルであることは間違いありません。しかし、旧モデルだって決して輝きを失っていません。どの世代も、発表時にはそのポテンシャルの高さを評価されてきたのがゴルフ。つまり、いま中古車で乗っても、素晴らしいモデルばかりということです。

各世代の中で、現在中古車で狙い目なのが2世代前のゴルフIV。それほど古さを感じない外観や装備をもつ一方で、ちょうど市場での流通量が増えて、コンディションももまずまずの物件が多数出てくるようになってきました。なにより旧々型となったことで、かなり割安な相場になっています。

ゴルフIVはハッチバックのほかに、セダンタイプのボーラやワゴン、さらにカブリオレが設定されていました。電動ソフトトップをもちながら、カッチリとしたゴルフの安定感ある走りを残した4シーターコンパクトオープンです。今回はこのフォルクスワーゲン ゴルフIVカブリオレをご紹介します。
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登場は1999年1月。新車時の価格は335万円で、外見はゴルフIVのカブリオレそのものなのですが、中身は実はゴルフIIIとほとんど同じ。ボディはオープンカーの製造で有名なドイツのカルマン社が担当。エンジンは最高出力116psを発揮する2Lの直4SOHCを搭載し、4ATを組み合わせています。ボディサイズも全長4075×全幅1695×全高1420mmと、ゴルフIIIとほとんど変わりません。

では違いは何かというと、外観と装備。ゴルフIVルックのエクステリアになったほか、BBS製の16インチホイールが設定されました。装備はサイドエアバッグのほか、本革シートやMDデッキが標準装備になっています。幌は現在では少数派となったソフトトップ。6層の合成素材で作られた幌は耐久性が高く、土砂降りの雨に降られても不安を感じません。開閉は電動式で、サンバイザーの裏側にあるフックを外せば、ボタン一つでワンタッチ操作可能です。

乗り味はまさにゴルフのそれ。カッチリした乗り味で安定感があり、乗り心地も上々です。カブリオレですから、ハッチバックより車重は重いのですが、ソフトトップということもあって極端に重さを感じることはありません。2Lエンジンを搭載していることもあり、必要十分な加速力が得られています。

ただ激しい運転をしようとするとレザーシートが滑るため、ホールド性が悪いのが難点。スポーツ性を追求したい人はシートを交換するか、ステッチの施されたレカロ製本革シートが標準で装備されている、2001年12月に発売された特別仕様車「カラーコンセプト」を選ぶといいでしょう。
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使い勝手は意外に良く、後部座席も成人男性がギリギリ苦しさを感じずに乗ることができる広さ。幌は後部座席後方に収納されるため、ハードトップ車のようにオープン時にトランクスペースが犠牲になることもありません。後部座席は分割可倒式なので、長い荷物も積むことができます。

原稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されている物件数は30件。最高額は128.8万円ですが、9割方は100万円以下となっています。50万円以下の物件もありますが、ほとんどが10万kmを超える多走行車。ある程度、状態のいい物件を探すならば、総額で100万円くらいの予算を確保しておいたほうが良さそうです。嬉しいのが、この物件数の割にボディカラーにバリエーションがあること。黒、白、銀といった定番色に加え、赤や青、紺、濃緑、さらに黄色(黄土色に近いマットなカラー)も見つかりました。

手頃なサイズで手頃な価格。そして4人がしっかり乗れるシートと、使い勝手の良さはさすがはゴルフのカブリオレ。4人までの家族であれば、ファミリィカーとしても使えるかもしれません。家族の車がオープンカーなんて、ちょっとステキじゃないでしょうか?


Text/渡瀬基樹