“最後” V8自然吸気エンジン【カーセンサーEDGE 2024年6月号】
2024/04/25
▲数少ない新車で手に入るV8 NAモデルのひとつ、ミッドシップ化した8代目コルベットの高性能版「Z06」は646ps/8550rpmを発生する5.5L スモールブロック「LT6」型を搭載。フラット(シングル)プレーンのクランクシャフト採用に加え、8速DCTを介して後輪を駆動。その吹け上がりの鋭さたるや市販V8 NAとしては世界最高峰と言えるでしょう
絶滅間近か? V8 NAモデル選びは今が最後だ
心躍る鼓動とサウンド、胸をすく咆哮と加速。このバランスの良さが車好きを夢中にさせるV8エンジンの真骨頂です。当然、名だたるスーパーカー、スポーツカーに採用されてきたV8エンジンですが、中でも特に今、熱い視線が注がれているのが絶滅寸前のNA(自然吸気)エンジン搭載モデル。あのマルチシリンダーの爆発がもたらす強大なパワーとビート、そして心を揺さぶる刺激と興奮。アクセルを踏み込むと同時に溢れだすアドレナリンは、何ものにも代え難いV8 NAエンジンだけの醍醐味と言えるでしょう。
ただ残念なことに、V8 NAエンジンモデルは時代の流れとともにターボ化やハイブリッド化といった小排気量化、高効率化の波に押され、6気筒エンジンへの移行が進んでいます。もはや新車で買えるV8 NAエンジン搭載モデルはほんの一握りのみとなってしまいました。
でも中古車マーケットに目を向ければ、まだまだ個性的なモデルがラインナップされています。ひょっとしたら今がV8 NAエンジンモデルを選んで乗れる最後のチャンスなのかもしれません。
そう、今後減ることはあっても増えることは絶対にないV8 NAエンジンモデル。まさに手に入れるなら最良にして最後の機会なのです。
▼検索条件
シボレー コルベット(現行型)× 全国
▲1959年に「ベントレー S2/ロールスロイス シルバークラウドII」に初搭載されて以来、数十年にわたって幾度となく改良が施されてきた「L410」系V8 OHVエンジン。V8の象徴である基本的な構造とサイズは、60年経った今も変わりません。英クルー工場で1基当たり15時間以上をかけ手組みされたエンジンは延べ3万6000基にもなりますが、そんなクラフトマンシップを象徴する名機も、2020年の最終仕様車搭載分で生産終了となりました
▲V8ミッドシップの礎を築いた車がフォード GT40です。打倒フェラーリを掲げて開発したマシンとしてあまりにも有名です。1966年のル・マン24時間レースでは表彰台を独占し、1969年まで4連覇を果たしています。GT40にはMk1からMk4が存在し、ル・マン初勝利を飾ったのは最高出力492psを発生する7L V8を搭載したMk2でした
▲先代のマセラティ グラントゥーリズモには、フェラーリが開発したティーポF136をベースにしたマセラティ専用ユニットが搭載されています。排気量4.2Lと4.7Lがあり、前者のヘッドカバーはブルー、後者はレッドに塗り分けられており、耳をつんざくように甲高く絞り出される快音サウンドは、すでに新型では味わえないこの時代の自然吸気だけの“雄叫”なのです
▼検索条件
マセラティ グラントゥーリズモ(先代)× 全国
文/編集部、写真/デレック槇島、岡村昌宏、イラスト/あべ あつし
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