NTNが独自開発した2人乗り電気自動車(EV)が超小型モビリティとしてナンバーを取得した。車輪のハブ内部に電気モーターを配する「インホイールモーター」を搭載した車両としては日本初となる。三重県伊勢市に貸与され、今後は公道における実証事業が開始される。

超小型モビリティは、自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1~2人乗り程度の車両だ。軽自動車と軽車両の間のカテゴリを想定しており、現在はガイドラインを基に、テスト的な導入が進められている。既に日産やホンダなどが実証実験を開始しているほか、スズキやヤマハ発動機なども参入を予定している。

貸与される車両は前後に大人1人ずつ(後席は子供2人乗車)が可能。インホイールモーターを採用したことで、エンジンやトランスミッションなどの部品が不要となっており、他の超小型モビリティより取り回しが良く、室内空間が広いのが特徴だ。高速道路などは超小型モビリティの基準上、走行することができない。

NTNは世界有数の軸受(ベアリング)メーカーで、自動車部品を含む等速ジョイントや精密機器などの製造・販売を行っており、超小型モビリティにもその技術が活かされている。昨年4月に工場のある静岡県磐田市に公用車として貸与。今年8月には軽自動車ナンバーを取得し、実証実験が開始されていた。

今回、超小型モビリティとして認定を受けた車両は合計5台で、うち1台が伊勢市によって公用車として利用される。

他の車両は伊勢神宮の式年遷宮を機に、伊勢市が行う電気自動車などの利用環境整備に合わせて、伊勢商工会議所や伊勢市観光協会などの伊勢市低炭素社会創造協議会メンバーによって、観光モデルコースなどで利用される。今後は「伊勢楽市」「お伊勢さんマラソン」など地域のイベントでも活用される予定だ。

木目調デザインの1台は伊勢市観光協会へ貸与される。背景は、今年20年に1度の式年遷宮が催行され大いに賑わった伊勢神宮内宮

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左右2輪の独立制御で安定した駆動力と走行安全性を実現。車両が小型なため、狭い路地にある名所旧跡へのアクセスにも便利だ

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