日本カー・オブ・ザ・イヤー▲日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーたち。ファミリーカーからプレミアムモデルまでずらり

「2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー」を決める10ベストカー試乗会

2024年11月25日、千葉・袖ヶ浦フォレストレースウェイで「2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー」を決める10ベストカー試乗会が開催されました。

事前に59名の選考委員が31モデルのノミネート車の中から、最終選考会に進む10モデルを選出。選考委員はこの10モデルに試乗し、持ち点である16点を最も評価する車に10点、2位に4点、3位に2点を投票する仕組みです。

今年の「10ベストカー」は、下記の10モデルです。

・スズキ フロンクス
・トヨタ ランドクルーザー250
・ホンダ フリード
・マツダ CX-80
・三菱 トライトン
・レクサス LBX
・BYD シール
・ヒョンデ アイオニック5N
・ミニ ミニクーパー
・ボルボ EX30

当然、選考委員の皆さんはすでにこの10モデルには試乗済み。ですが、「最後に票を入れるモデルを決めるため」改めてサーキットでの試乗を行うのです。

当日は快晴、絶好の試乗会日和!

選考委員の皆さんは朝からバンバン、サーキットに出ていきます。
 

日本カーオブザイヤー▲各社がブースを設けており、ここから試乗車に乗ってコースに出られる

今回「10ベストカー」にノミネートされたモデルの中には、すでに中古車として流通しているモデルもあります。

そこで今回「すぐに買える10ベストカー」の中から3モデルを、カーセンサーでもお馴染みで選考委員でもある松本英雄さんに試乗いただき、インプレッションをもらいました。
 

日本カーオブザイヤー▲自動車テクノロジーライターの松本英雄さんも改めてサーキット試乗

中古車で買える10ベストカー① ミニ ミニクーパー

ミニクーパー▲モデル名が改められたミニクーパー。BMW製になってからは4代目

キープコンセプトで進化し続けるミニ。車名が「ミニクーパー」に変わっても唯一無二のドライビングフィールは不変だ。

優れていると感じるのは、ただハードなだけではない乗り心地である。しなやかなサスペンションによりダイレクト感がありつつも、同乗者も乗っていて心地よいと感じられるものに仕上げられている。

スペース的にサスペンションのストロークが取りにくいのだが、このあたりは一日の長があると感じる。

輸入車の中では取り回しのしやすいボディサイズと相まって、日常での使い勝手は抜群である。
 

ミニクーパー
ミニクーパー

ミニクーパーはいくつかの運転モードを選ぶことができる。今回初めて、サーキットで初めて「ゴーカートモード」を試すことができた。モードを変えるとディスプレイの演出が変わり、ドライバーの気分を高揚させてくれる。

そしてハンドリングやアクセルレスポンスが明確に変わる。これは実に楽しい。「自分の車で運転モードを変更できるが、ほとんど変えたことがない」という人もいるだろうが、おそらくミニクーパーに関してはヘビーローテーションされるだろう。

世代を重ねるごとに洗練されていっている外観と相まって、所有していて飽きのこないモデルだと思う。
 

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ミニ ミニクーパー(4代目)

中古車で買える10ベストカー② レクサス LBX

LBX▲プレミアムコンパクトSUVという新たなジャンルに挑んだLBX

LBXはレクサスにとって非常に挑戦的なモデルだと言える。

さかのぼること数年前、開発段階の車両を豊田章男会長に初めて披露した際、わずか数十秒で「これならば、もう開発はやめてしまおう」と言われてしまったという。当時はそれほど個性のないおとなしいモデルだったようだ。

そこから開発陣が苦労を重ね完成させたのが、このLBXというモデルだ。

プレミアムモデルというと大きく・広くという方向に向きがちである。その方がデザインの自由度も上がるし、室内の快適性も上げやすいからだ。

だが、LBXはサイズを大きくすることなく、質感を上げるという難問を見事にクリアしてみせた。

LBX
LBX

例えば、リアの開口部。ここを広げないことで剛性を高め、走行中のバタつきを抑えている。デザイン的にも上部が絞られているため“お供え餅”のようなロバストになり、踏ん張りの強い造形になった。確かにキャビンは犠牲になっているが、それ以上に得たものは大きい。

内装のデザインや質感もこのサイズにモデルにしては非常に高いと言えるだろう。ドイツ車ともまた違った日本車ならではのプレミアム、そして安心感を得られるモデルである。
 

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レクサス LBX(初代)

中古車で買える10ベストカー③ ホンダ フリード(3代目)

セレナ▲走り、使い勝手ともに大幅に進化したフリード

実用性の高いミニバンをサーキットで乗る機会はほとんどない。また一般のドライバーの方も、普段そのようなドライビングをすることはないだろう。

今回フリードを多少ハードに運転をしてみて、さらに評価が上がった。スライドドアや広いリアゲートなど剛性を高めるのには不利な装備を備えるが、安定感は抜群で静粛性も高い。これは車両の骨格の質が高い証拠である。

また、ハイブリッドモデルのブレーキングも非常になめらかで、これは同乗者の快適性に大きく寄与するだろう。

すでに多くの個体が中古車として流通しているようだが、燃費面も含めオススメしたいのはハイブリッドだ。

セレナ
セレナ

フリードには先代から「クロスター」というSUV風なデザインのグレートがあったが、新型ではよりタフな印象のものとなった。

日常で使われる車にこそ、このような「ちょっと特別なもの」とオーナーに感じさせる個性はとても良いと思う。アースカラーの車体色や、バンパーなどに使われる樹脂パーツが絶妙に気分を変えてくれるはずだ。
 

 

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ホンダ フリード(3代目)
写真/篠原晃一