足らないからこそ楽しめる。家族色に染められた2代目カングー
2024/06/07
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんな車と、どんな時間を?
自分たちのスタイルに合わせてカスタム
美容師の伊藤さんは、奥さまと2人のお嬢さん、そして2頭のボストンテリアというご家族を持つパパさん。
そんな伊藤家のファミリーカーは、2017年の限定色「マルセイユブルー」をまとった2代目カングーだ。
下のお子さんが4歳になって体も大きくなり、お出かけも楽しめるようになったのを機に購入。
イタフラ車好きのパパと、MT仕様のカルディナで運転を楽しんでいたママの同意の下、MT仕様を選んだ。
商用車を出自とするカングーだけに荷室は広大。
その天井の高さを利用してサーフボードやスノーボードを入れられる収納を作るなど、カングー乗りのコミュニティで情報交換しながら、自分好みに使いやすくDIYしてきた。
シートとピラーの隙間にシンデレラフィットする小物入れを挟むなど、ちょっとした工夫がされているのがほほえましい。
また、自分の手で内張りをいったんすべて剥がし、下に制振材と断熱材を入れているというから驚いた。
カングーは窓が大きくて保温性が低いうえに、後席にエアコンの吹き出し口がなくて空調が効きにくい。加えて開閉に力とコツのいるスライドドアはどうしてもガシャンと大きな音がするから、断熱と騒音対策として施工したそうだ。
家族みんなでイベントに参加
「足りないところが多い車だからこそ、手をかける楽しみがあるんだと思います」
歴代の車は5年程度で乗り替えてきたが、7年たっても飽きるどころか愛着がわく一方だと満足気に話す。
美容室への通勤はいつもカングー。週3日は2頭の看板犬も一緒に出勤している。犬たちもカングーでのお出かけが大好きで、留守番の日でも乗りたそうについて来るそうだ。
犬たちの抜け毛対策にシートカバーはかけたものの、フロアマットは換えていないから毛だらけで大変と困ったように言いつつも笑顔が絶えない。
休日は家族で近所の買い物はもちろん、3シーズンはキャンプ道具を積んで自然の中へ、冬はスノーボードを楽しみに雪山を目指す。
「二駆なので、今年ちょうどドカ雪にハマってちょっと大変だったので、スタッドレスにチェーンも持って行くようにしてます」
そして毎年片道4時間のドライブをして、山中湖で開催される世界最大規模のカングーファンの祭典、カングージャンボリーにも家族みんなで参加している。長距離ドライブならなおさら、座り心地のいい運転席の居心地のよさは格別だという。
使い勝手よく、持つ喜びもあって、運転も楽しめるなんて、ファミリーカーの理想形だろう。
まさに毎日カングーと生活をともにしている伊藤家だが、7年間一緒に育ってきたお嬢さんたちにも「シンプルだけどふわっとしててかわいい」「色と形が特別でかっこいい」と好評だ。
4人と2頭と1台は、絵に描いたようにとっても仲のいい家族だった。
▼検索条件
ルノー カングー(2代目) × 全国伊藤さんのマイカーレビュー
ルノー カングー(2代目)
●購入額/約250万円
●年間走行距離/約8000km
●マイカーの好きなところ/色。自分仕様に変えられる「余白」
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/移動することを楽しみたい人。「不便」もいいね!と思える人
ライター
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してからしばらく車を所有していなかったが、2021年春にプジョー 208 スタイルのMTを購入。近年は1馬力(乗馬)にも夢中。