見た目はまさかの峠仕様!? 新潟を拠点に活躍するマルチアングラー 西村 均の変態的釣車、スバル インプレッサスポーツワゴン
カテゴリー: カーライフ
タグ: スバル / ステーションワゴン / インプレッサスポーツワゴン / 竹井あきら
2023/09/26
釣りにも“走り”にもこだわった、変態的釣車
ベイトロッドメーカー「Fishman」のプロスタッフであり、釣魚の写真家でもある西村さんの釣車は、ラリーカーのようなチューニングが施された、2代目中期型のインプレッサスポーツワゴンWRX。
窓から運転席をのぞくと、サイドブレーキレバーにはエクステンダーが取り付けられていて、サイドターンする気満々のドリフト使用になっている。しかもそのエクステンダー、長さと角度をこだわりまくったチューニングも見て取れる。これはもう西村さん、走れる方ですよね?
「競技はジムカーナとドリフトやってました。草レースは、砂利もサーキットもジムカーナもだいたいやります」
そしてこのインプレッサ、3ナンバーのハイパフォーマンスモデル「STI」ではなく、5ナンバーボディの“素”のインプレッサスポーツワゴンWRXなのが自慢だという。
「コンパクトで取り回しがいいですしね。峠では“ただのワゴンじゃん”ってバカにされますけど、踏んだらSTIより速いですよ」
聞けば、なんとエンジンはSTIチューンのものに換装しているとのこと。それならとボンネットピンを外してエンジンルームを見せてもらうが、わけが分からない。STIエンジンの赤い塗装をわざわざサンドブラストで剥がしてデチューンしてあるのだ。
また、ローダウンしているかのように低く構えて見えるが、それはエアロとタイヤ外径アップを含むカスタムの妙で、じつはノーマルより1cmリフトアップして悪路走破性を高め、釣り仕様になっている。
リップスポイラーも中央部が高くなっているものをセレクトし、わだち対策も抜かりない。このインプレッサ、かなりの変態チューニング(褒めてます)の集合体だ。
ベイトリールとMT車の共通点
ベイトタックルオンリーというスタイルで、渓流、アジング、ロックフィッシュにシーバスと、海へ山へと駆け回って釣りまくる西村さんが拠点とするのは、新潟県柏崎市だ。
「うちから10分走れば渓流釣りができます。信号4つで海浜公園。釣りをするには一番いい所です。夏暑くて、冬豪雪ですけど(笑)」
話を聞いたこの夏の日も、深夜にふと目が覚めて河口へと走ったと、見せてくれたスマホには、釣果のどでかいシーバスが写っていた。そんな釣場の宝庫であるとともに、冬の雪道でのコントロール性が必須の雪国ドライバーに選ばれたのが、スバルのシンボルともいえるシンメトリカルAWDだ。
「縦置きエンジン、縦置きミッション、それで四駆じゃないですか。左右のバランスがいいんですよ。しかも四輪独立懸架だからわだちにひっかからない。雪の上でまっすぐ走れる車ってなかなかないです」
当然ガレ場や泥ねい路にも強い。バランスがキモのベイトタックルにも通じる、釣車選びのこだわりだ。
これまで乗ってきた車はすべてがMT車だという。自分の感覚に確実に応えるマニュアルで、必要があれば納得いくまでチューニングを施し、やりたいことをやりたいように遂行するスタイルは、西村さんの釣りスタイルにも通じる。
「クラッチがあってギアがあるのはベイトリールも一緒。車もリールもチューニングはおもしろい」と、一貫した変態的スタンスで、今日も大物を狙う。
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編集・ライター
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してから次期愛車を物色しつつ、近年は1馬力(乗馬)に夢中。