ホンダ ステップワゴン

【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?

イベント会場に出店する指圧マッサージ店

足達さんは茅ヶ崎で「SHIATSU CAMP」というお店のオーナーを務める指圧師である。

まだ30代だが、指圧のイメージを覆す独自のアプローチを展開して存在感を見せている。

HPを見てもらえれば分かるが、店舗は足達さんの理想の「部屋」を体現したもの。指圧マッサージ店というより、アメリカンダイナーかアメカジショップのようだ。
 

ホンダ ステップワゴン ▲茅ヶ崎市の店舗ショーウィンドウはアメリカンな雰囲気

そして、週末は音楽フェスやキャンプイベントといった異業種のイベントに指圧マッサージのブースを出店している。

音楽フェスへの出展は約8年ほど前から始めたのだという。

取材当日も、足達さんは代々木公園で開催されるイベント会場で仲間と設営作業に追われていた。
 

ホンダ ステップワゴン▲コストコで購入したイベント出店用のテント。本来の使い方は自宅に立てる車用ガレージとのこと

ヘリノックスのチェアをはじめ、今どきのおしゃれなキャンプギアが多数置かれたブースはグランピング施設のようだ。

「一般的な指圧マッサージって白衣を着た先生が年配の方に施術するイメージが強いと思うんです。でも指圧って治療だけではなく、『病気にならないための医療』つまり予防医療でもあるので、若者が受けても効果があります。だから、誰でも気軽に立ち寄ってもらえるよう雰囲気つくりにこだわっています」

スタッフは全員オリジナルデザインのTシャツを着用。じつはこのTシャツだけの販売も行っている。
 

ホンダ ステップワゴン▲大きなテントで2名同時の施術が可能だ
ホンダ ステップワゴン▲ぱっと見では指圧店のブースと分からないおしゃれな店構え

USワーキングバン仕様のステップワゴン

イベントに出店し、現地で設営作業をする足達さんにとって欠かせない存在が車。

昨年購入した、ステップワゴンが大いに活躍しているという。

「前はダイハツ ウェイクを使っていたのですが、2人目の子供が生まれたこともあって、もっとスペースに余裕のあるステップワゴンを増車したんです。ただ、普通ではウチらしくないので自動車屋の友人に相談し、好みのスタイルにカスタムしてもらいました」
 

ホンダ ステップワゴン▲後部座席を跳ね上げることで、出店用荷物も余裕で積載が可能

ボディカラーは今となっては珍しい「マーブルベージュ・パール」。フロントマスクはバンパーなどの部分塗装と角型2灯ライト化によって、いわゆる「カーゴフェイス」調に。

あえて簡素なスチールホイールと組み合わせることで、USワークキングバンのようなムードに仕立てられている。
 

ホンダ ステップワゴン

これは、昔から音楽やファッションを通じてアメリカンカルチャーに傾倒していた足達さんの好みをばっちり反映したもの。

友人に予算とイメージだけを伝え、後はベース車も含めてすべてお任せで制作してもらったそう。お見事な仕事である。
 

ホンダ ステップワゴン▲「STEP WGN」のロゴは遊び心ある「STEP VAN」にカスタム

購入金額はベース車+カスタムで約100万円。

同じ金額を出してもっと高年式で使い勝手の良いミニバンを購入することもできるが、足達さんにとっては他人と「かぶらない」ことの方が優先事項だった。

自身の価値観やスタイルをとことん貫くスタンスは指圧も愛車選びも同じなのである。
 

ホンダ ステップワゴン

指圧の革命児が目指すはアメリカ進出!?

足達さんが指圧師の道を志したきっかけは幼少期までさかのぼるという。

「よく両親や祖父母にマッサージをするとお礼にお駄賃をくれるじゃないですか。それが指圧師としての原体験なんです。手を動かすだけで相手に感謝され、しかも対価まで支払ってもらえる。こんな良い職業は他にないなと思って(笑)」

業界の常識に収まらない大胆な展開を行う一方で、指圧そのものに関してはごく真面目だ。

「あん摩マッサージ指圧師」はれっきとした国家資格であり、資格取得と施術には正しい医学的知識が求められる。

ただし、それは基本であり前提と足達さん。そのうえで、いかにお客さんに喜んでもらえるかを考え、今も研さんを重ねている。
 

ホンダ ステップワゴン

すでに音楽フェスではお馴染みの存在となっており、歩き疲れた大勢の若者が足達さんの指圧マッサージを求めやってくる。

人の手で施術するものなので対応できる人数に限りがあり、決して割の良いビジネスではないが、予防医療を広め、社会に貢献していることへの意義を感じているという。

「海外進出? いいですねえ(笑)。ぜひアメリカでも『SHIATSU CAMP』を普及させたいです」

夢と趣味と職業が一体となった足達さんのライフスタイルはうらやましいほど素敵だ。
 

文/佐藤旅宇、写真/見城了
ホンダ ステップワゴン

足達 晃大さんのマイカーレビュー

ホンダ ステップワゴン(2代目)

●走行距離/約40,000km
●マイカーの好きなところ/USバン風カスタムで人とかぶらないところ
●マイカーの愛すべきダメなところ/年式相応の乗り心地
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/ファミリーカーを探しているけど、人とかぶるのが嫌な人にオススメです!

佐藤旅宇

ライター

佐藤旅宇

オートバイ専門誌と自転車専門誌の編集記者を経て2010年よりフリーライターとして独立。様々なジャンルの広告&メディアで節操なく活動中。現在の愛車はボルボ C30と日産 ラルゴの他、バイク(トライアンフ)とたくさんの自転車。