【小沢コージの自動車暴論】9年落ちでも194万円!? 価値が下がらない大衆車 「限定」「レザーシート」「MT」の条件が揃う2代目ミニ
2021/11/27
自動車、中古車の世界で疑問に感じることを、自動車評論家の小沢コージが検証するこのコーナー。今回のテーマは高級車やクラシックカーではないのに、中古車としての価値が下がらないレアケースについて。その代表格がBMW製のミニシリーズ。この人気車種を「買っても値下がりしない中古車」として見てみると……いかに奇妙な存在かが見えてくる。
ちょっと待って! おかしくない? ミニの中古車価格
「例えばアイスブルーでレザーシート、MTの2代目ミニならメチャクチャ高い値が付くはずです」(イール武藤裕輝さん)。
先日、国産スポーツハッチの新車と2代目BMWミニの中古車を比べて驚いた。2012年式のミニクーパーSが194万円! 走行距離2万km弱の上玉だったこともあるが、新車時価格は303万円。ぶっちゃけ10年近くたっても3分の2をキープしているのだ。国産車であれば10年でほぼタダになるケースだってある。1000万円を超える高級車で、流通台数がそもそも少ない希少車であれば理解できるが、あくまで一般的な相場で手に入るモデルでこの値落ち率はちょっと異常だ。まるで値上がりを待つ株のようだ。
その他、カーセンサーEDGE.netを見ていると、確かに年式10年落ちで100万円台後半の2代目ミニが普通に流通している。果たして、この値落ちしない現象は一体なんなんだろう?
ミニを専門に扱う人気ショップで、中古車の現状を尋ねてみた。
値落ちしないという発想で狙い目となるミニシリーズ
「ミニは安定した人気があるので全体的に価格はずっと高めです。さらに限定モデル、コンバーチブル、MT、走行距離5万km以下などの条件が加わると、中古車の売値で200万円は当たり前です」(武藤さん)
聞けばミニは「限定車商法」と言いたくなるほど限定仕様が多く、ボディカラー限定、本革内装限定などなど様々あって、どれもリセールバリューが高い。
「特別感がある限定モデルも人気ですが、例えばボディカラーでいうと『アイスブルー』の人気が最近ものすごいんです。2代目のハッチバックだと50万円、3代目の新しいものになると100万円ぐらいの付加価値が付きます。2代目は限定車じゃなかったんですが、それでも高い。具体的にアイスブルー、本革シートで6MTだったら相当高くなるはずですし、うちもぜひ手に入れたいですよ」
もちろん距離少なめで、修復歴ナシなど程度がいいことが前提条件。しかし、意外にも「5万km以下ならば大丈夫ですよ。ミニは7万kmを超えたあたりで価格がデッカく落ちる傾向にあるんです」とのこと。実は年式はあまり関係ないという。これもミニならではの特徴なのだろう。
ミニはBMW傘下に入って以来、輸入車販売台数の上位を常にキープするほど人気が高い。デザインや使い勝手の良さから、需要は全体的に高め。それに希少性が伴うと相場も高くなる。
面白いのは、ハッチバックモデルは現行型も人気が高いが、「本革特別仕様がなかった」クロスオーバー系はそれほどでもない。また、ワゴンボディのクラブマンも高値安定だ。
2代目と現行型(3代目)で限定本革シート仕様、6MT車のコンバーチブルともなれば、まさに鉄板の組み合わせらしい。
買うのは高いが、価値がしっかり残る。これは買い手にとって大きなメリット。もしくは、そんなミニを所有していて乗り替えを考えている人は、今のうちに思い切って買い取り価格を聞いてみるのもアリかもしれない。
▼検索条件
ミニ(2代目) × 全国 × MT■取材協力:ミニ中古車専門店iR(イール)世田谷
■住所:東京都世田谷区上野毛4-39-7
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