▲山の中でこんな水害に見舞われたら…… ▲山の中でこんな水害に見舞われたら……

落雷、豪雨、そして脱輪……、大自然をナメてかかっちゃいけません!

秋風が心地よくなってきて、ドライブするには最適なこの季節。車があれば自然を満喫しに山奥にも楽々アクセスできちゃいますよね。でもアウトドアには、突然のアクシデントが付き物だったりします。

最近はアウトドアフィールドも整備されていて、危険な目に遭うことは少ないだろうって? 甘いっ! その認識が甘いのです!! 自然の猛威はいつでも、誰にでも容赦なく襲ってきます!

今回はそんな自然の中に出かけるときの心構えを、アウトドアパーク ブロンコの管理人・竹村氏に伺いました。竹村氏は、東南アジアの熱帯雨林やシルクロードなどなど、世界中のへき地を四駆で旅してきたサバイバーでもあるのです。

【野外活動での正しい服装とは?】
山の中に出掛ける時の服装は街中をドライブする時とは大きく異なります。

まずは編集部員・福嶌くんの服装をチェック。え~っと、サンダルにアロハシャツ、麦わら帽って、まるで夏休みの子供みたい……。

「山の中だから、バーベキューっぽい格好で来ちゃいました♪」(by福嶌)

……ハイ、アウトドアでこの服装はお話しになりません。山の中では虫や蛇などにかまれたり、やぶで体を傷つけたりするリスクが付き物。また直射日光によるダメージを防ぐためにも、長袖長ズボンが基本。というわけで福嶌くん、着替え直して!!

“▲左が編集部員・福嶌くんのBadな例。右が竹村氏による、アウトドアに出かけるときの理想的な服装の例。長袖長ズボンなのはアタリマエですが、素材にも注目。火の粉が飛んだときにも燃え広がりにくい綿素材を選んでいます。また帽子は雨天時に襟から水が浸入するのを防ぐためにツバが広く、厚手のモノをチョイスしています" ▲左が編集部員・福嶌くんのBadな例。右が竹村氏による、アウトドアに出かけるときの理想的な服装の例。長袖長ズボンなのはアタリマエですが、素材にも注目。火の粉が飛んだときにも燃え広がりにくい綿素材を選んでいます。また帽子は雨天時に襟から水が浸入するのを防ぐためにツバが広く、厚手のモノをチョイスしています

【雷が近づいてきたときの対処法】
「山の天気は変わりやすい」というのは昔からいわれていること。もしドライブ中に雷雨や増水などの自然災害に見舞われたら……アナタはどう対処しますか?

例えば、突然の落雷時。一般的には雷が落ちたときはむやみに外に出ず、車の中にいた方が安全……とよくいわれています。確かに車外にいるよりもリスクはずっと少ないですが、絶対安全というわけではありません。

雷が近づいてきたら、なるべく木が少ない安全な場所に停車させ、雷雲をやり過ごすのがベスト。さらに次の写真で紹介する2点にも注意するとバッチリです。

▲車の窓ガラスや鉄板がむき出しになっている部分に体が触れていると、落雷の時に感電してしまうことも。車内で待機するときはなるべく車に触れないようにしましょう ▲車の窓ガラスや鉄板がむき出しになっている部分に体が触れていると、落雷のときに感電してしまうことも。車内で待機する時はなるべく車に触れないようにしましょう
▲雷が鳴っているときはラジオや無線のアンテナを立てておくのがベター。万が一、雷が車に直撃しても避雷針になります ▲雷が鳴っているときはラジオや無線のアンテナを立てておくのがベター。万が一、雷が車に直撃しても避雷針になります

【集中豪雨に見舞われた時の対処法】
ゲリラ豪雨をはじめ、近年増えている集中豪雨。街中であっても被害は甚大だというのに、山道を走行中に集中豪雨に見舞われてしまったら……そんなときの対処法をまとめてみました。

ステップ1:できるだけ安全な場所に車を止め、ヘッドライトを点灯する
沢や谷になっている地形は増水や鉄砲水に襲われる可能性があるため、できるだけそのような場所を避けて安全な場所に停車させます。崖の下なども落石の危険があるので避けます。このとき、他車に自車の存在を知らせるためにヘッドライトを点灯させておくのも忘れずに。

また、電波が通じる場合、携帯電話などで天候情報(雨雲レーダー)をチェックしてとどまるべきか目的地を目指すか、判断しましょう。

ステップ2:もし道路が冠水し始めたら、速やかに移動!
山にいる場合、冠水は谷間や川沿いなど部分的にしか起きません。もし移動できるなら、丘など少しでも高いところに逃げるのが良策です。

ステップ3:それでも水がたまってきたら、車外に逃げる準備を!
水没しそうな車の中にとどまっていることは最も危険な行為のひとつ。冠水して車が走行不能になる前に、ちゅうちょすることなく車外へと脱出しましょう。


▲いつでも車外に出られるよう、ドアロックは解錠しておくこと。また水面がドアの下端まできていたら、速やかに脱出しましょう ▲いつでも車外に出られるよう、ドアロックは解錠しておくこと。また水面がドアの下端まできていたら、速やかに脱出しましょう

【路肩や溝に脱輪したときの対処法】
未舗装の林道では、路面に大きな溝ができていることも。最後に脱輪して走行不能に陥ってしまったときのレスキュー法を紹介します。ちなみにこれ、側溝などに落ちてしまったときにも応用できるテクニックです。

▲まず脱輪したタイヤを浮かせるべく、ジャッキアップ。サイドブレーキを引き、車輪止めを掛けて(なければ岩などで代用)、車が動かないようにします ▲まず脱輪したタイヤを浮かせるべく、ジャッキアップ。サイドブレーキを引き、車輪止めを掛けて(なければ岩などで代用)、車が動かないようにします
▲車輪を浮かせただけでは走れないので、タイヤの下に大きな木や岩などを挟み込んでから、ジャッキを下ろします。近くに適当な大きさの物が見つからなければ、スペアタイヤを利用するのも手 ▲車輪を浮かせただけでは走れないので、タイヤの下に大きな木や岩などを挟み込んでから、ジャッキを下ろします。近くに適当な大きさの物が見つからなければ、スペアタイヤを利用するのも手

……いかがでしょうか? 「ちょっと大げさでは?」と思うかもしれませんが、大自然には危険がいっぱい。用心しすぎることはないのです。十分に準備して、存分にアウトドアを楽しみましょう!

text/田端邦彦