“ご当地グルメ”や“ご当地ヒーロー”など土地柄に合わせたものが作られている中、ついに“ご当地タイヤ”が北海道で発売される。販売するのはブリヂストンで、北海道のブリヂストンタイヤショップで乗用車用スタッドレスタイヤ「BLIZZAK SI-12」として10月26日から取り扱いが始まる。

「BLIZZAK SI-12」は、スタッドレスタイヤの肝である氷上でのグリップ性能に特化したタイヤ。日本でも特に路面が凍りやすい北海道でこそ力が発揮されるとして、まずは北海道限定での販売となった。

「BLIZZAK SI-12」はこれまでのスタッドレスタイヤよりも氷上での走行性能を大きく向上させている。2009年8月から2012年5月末までの国内累計出荷本数が500万本を突破した同社の「BLIZZAK REVO GZ」と比べ、氷上制動距離は19%、氷上加速タイムは21%、氷上旋回タイムは12%短縮されている。

今回の性能向上は主に3つの技術によって達成された。ひとつ目の技術は「オクタゴンパタン」。従来のスタッドレスタイヤと比べタイヤ表面の模様(トレッドパターン)のブロックが小さく、タイヤの柔軟性が向上。凍った路面の凹凸にもしっかり接地し、均等に圧力がかかることで氷上でのグリップが向上しているという。2つ目は「親水性発泡ゴム」。親水素材でコーティングした新発泡ゴムで水の膜を取り込み、路面の水を効率的に除去することができるようになった。3つ目は「マイクロテクスチャー」。タイヤ表面に小さな凹凸を付ける表面処理技術で、氷上でのグリップをより良くする。

「BLIZZAK SI-12」の今シーズンの出荷本数は最大2000本を予定。サイズは195/65R15 91Qの1サイズのみ。価格はオープンプライスだが、現行品よりも約1割高くなる見込み。今年度は北海道でのみ販売だが、その売上や評判によっては北海道以外での販売も検討していくという。

「BLIZZAK SI-12」。凍った道路での走行に特化させたため、北海道でのみの販売となった

「BLIZZAK SI-12」。凍った道路での走行に特化させたため、北海道でのみの販売となった

タイヤの表面は「マイクロテクスチャー」で加工。これにより氷上での高いグリップ性能を生み出す

タイヤの表面は「マイクロテクスチャー」で加工。これにより氷上での高いグリップ性能を生み出す