▲高級セダン、スポーツカー、ファミリカーと、これ1台ですべての要素を満たせるので、むしろ皆から歓迎されるだろう。唯一我儘と思われるとするならば、車両価格が1000万円を超えることだが、そもそもこの車を狙う人ならば金銭面で文句を言われる心配もないでしょう ▲高級セダン、スポーツカー、ファミリカーと、これ1台ですべての要素を満たせるので、むしろ皆から歓迎されるだろう。唯一我儘と思われるとするならば、車両価格が1000万円を超えることだが、そもそもこの車を狙う人ならば金銭面で文句を言われる心配もないでしょう

モンスターなのに優等生な高性能マシン

まさに理想の1台。メルセデスAMG C63/C63Sは、そんな表現が相応しいだけの理由が豊富に揃う。

まずは圧倒的なパワフルさ。先代の6.2Lから、2.2L分もダウンサイジングしたV8 4Lにもかかわらず、ツインターボで476ps/650Nmと先代を上回る。さらに高性能なC63Sでは、510ps/700Nmを発生する。しかも気持ちよさも相当で、ターボと思えぬ滑らかさを持っている。

次に、それほどのパワーとトルクをFRで受け止めること。上級モデルとなるEクラスのAMGでは4WDが主流となりつつあるが、こちらはサーキットでドリフトマシン並みの操縦まで楽しめる。その点では現行AMGの中でもっとも刺激的だ。

そして、何と言っても身のこなしが秀逸。ベースとなるCクラスがアルミを多用して軽量化されたことを受け継ぎ、こちらも先代より100kg程度軽い上に先の大パワー。動力性能も圧倒的ながらカーブなどでも極めて素直な姿勢を生み出し、高性能ながら実に扱いやすい。

加えてシャシー性能も大幅に引き上げられており、19インチサイズのタイヤを履いていても乗り心地は悪くない。もちろん高速道路では破格の安定性で矢のように突き進む。

4LのV8ツインターボで先代より高性能ながらも、燃費は約12km/Lなのだから恐れ入る。

普段使いの勝手の良さや安全装備の充実等含め、まさにノーエクスキューズで、モンスターなのに優等生なマシンなのだ。

▲これまで同様にステーションワゴンもラインナップ。足回りを電子制御するAMGライドコントロールも備わる ▲これまで同様にステーションワゴンもラインナップ。足回りを電子制御するAMGライドコントロールも備わる
▲レースモードをはじめ5種類の走行特性が選べるダイナミック・セレクトを装備した ▲レースモードをはじめ5種類の走行特性が選べるダイナミック・セレクトを装備した
▲AMG GTと基本を同じくするV8ツインターボを搭載。Sは0→100km/h加速4秒を誇る ▲AMG GTと基本を同じくするV8ツインターボを搭載。Sは0→100km/h加速4秒を誇る

【SPECIFICATIONS】
■グレード:C63 S ■乗車定員:5名
■エンジン種類:V8DOHCターボ ■総排気量:3982cc
■最高出力:510/5500-6250[ps/rpm]
■最大トルク:700/1750-4500[N・m/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:7DCT
■全長×全幅×全高:4756×1839×1426(mm) ■ホイールベース:2840mm
■車両重量:1655kg

text/河口まなぶ photo/メルセデス・ベンツ日本