ダイハツ タフト▲四角いフォルムと開放的なガラスルーフが人気の軽SUV、ダイハツ タフト。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による公道試乗の模様をお届けします

乗る状況を限定しない軽自動車

2019年の東京モーターショーで「WakuWaku」という名のコンセプトカーが発表され、新たなクロスオーバーモデルを予感させた。

そしてそのモデルの市販車が、新型ダイハツ タフトである。

試乗に入る前に、ダイハツが考える日本における軽自動車の必要性と、貢献度の説明を受けた。

そこで感じたのは、タフトが日本の軽自動車で育まれた文化を、大いに受け継いでいるということだ。

あぜ道を少しばかり広げた狭い道から高速道路まで、多岐にわたって使われる車が軽自動車なのである。

また軽自動車は、運転する方の40%が60歳以上だという。

そういった観点から、ダイハツは軽自動車にも先進安全装置を積極的に導入している。

今回は短時間での試乗なのでデバイスを使った安全性よりも、日常使う観点から吟味したいと思う。
 

ダイハツ タフト▲自然の中のフィールドはもちろん、都会的なシーンにもピタッとハマるデザイン

塗装技術に目を見張る

まずスタイルだが、シンプルな造形が視認性を高めており、外観からも運転しやすさを物語っている。

しかもコンテナをほうふつとさせる雰囲気が力強く、ギア感あるエクステリアとインテリアによって、動きやすい洋服を着ているかのような印象を与えている。

フェンダーの樹脂の部分が無塗装なのはワンポイントでもあるが、張りつめている形から一変して隙のある安心感をももたらす。

タフトはNA 3気筒のユニットで135万円台からのエントリーグレード「X」と、装備を充実した「G」がある。

ギア感で楽しむのなら断然「X」がいいだろう。

エンジンは、どちらも従来型のCVTが搭載されている。

加えて「Gターボ」というターボグレードもある。

今回の試乗したのは2WDであるが、すべてのグレードに4WDが用意されている。

まずはNAの「G」に乗った。色はレイクブルーメタリックという、メタリックが柔らかなニュアンスカラーの薄いブルーだ。

これは汚れが目立ちにくそうで、個人的にも好きなカラーだ。現物を見ると写真で見るよりもギュッと締まった印象を受けた。

相変わらずダイハツは、軽自動車の中で最も塗装の質が高いと感じる。

最近のダイハツ車を乗り継いでいるオーナーは、比較する対象がないため気づきにくいかもしれないが、とても丁寧さを感じるのだ。
 

ダイハツ タフト
ダイハツ タフト
ダイハツ タフト
ダイハツ タフト
ダイハツ タフト

四隅を確認しやすいボディ形状

ドアの開口は、広く乗り込みやすい。全高が163cmだから、19cmの最低地上高と考えると低く抑えたなと思う。

乗り込むと全車に標準装備される、スカイフィールトップがとても開放感を与える。これが開けば一層開放感が高いだろう。それほど開放的なガラストップなのである。

エンジンを始動する。静粛性はまずまずだ。細かい石畳を抜けて公道に出た。細かい振動もいなしていて、まずまずの動的な質感だ。

Aピラーが立っていて無駄な抑揚がないタフトは、前方左右の確認がしやすい。

NA 3気筒にCVTを採用してトルクを稼ぎ出し、3名乗車ではあったが平坦な道をスイスイと走る。

前のシートの乗り心地は悪くはないが、後部から走行時の音が気になった。少し走るとリアの動きが落ち着かないことが分かる。ボディ剛性とダンパーのマッチングが3人乗車では発揮されていない。

CVTによるATはスムーズで良い。静粛性も申し分ない。

しかしパワーステアリングの戻り量が多く、初めてタフトに乗るドライバーにとっては車体が不安定になりかねない。ここは改善を期待したい。
 

ダイハツ タフト
ダイハツ タフト
ダイハツ タフト

CVTのフィーリングには改良余地あり

続いて「Gターボ」の試乗だ。

フォレストカーキメタリックという、こちらはミリタリーギアの雰囲気だ。

乗り込んで発進すると、「これはターボか?」というほどインパクトはなかった。

しかし中間加速の状態における、加速のゆとりが違う。

また「Gターボ」はD-CVTという、タントで装着されている進化した効率の良さが利点のCVTを採用している。

このCVTの特徴は、ベルトによる減速比にプラネタリアギアを使ってギア比の多様性と、従来のものよりさらに向上される伝達効率だ。

発進から感じるのは、多段化した風合いが意図的に残されていて、逆に不自然な印象だった。

意図的にトルクの山と谷をつくって、ドライバーに加速感とターボ感を味わってもらおうとしているようだ。なにか加速中も引っかかっている感じが否めない。

NAに比べての同様のセットアップであるが、リアとフロントの重量のバランスなのか細かな入力部分で収束の粗を感じた。

ただまだ初号機に近いモデルであるから、パーツとのマッチングの影響もあるに違いない。

今度は安全装備などをじっくり確認すべく、再試乗をしたいと思う。
 

ダイハツ タフト
文/松本英雄、写真/篠原晃一

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【試乗車 諸元・スペック表】
●タフト G

型式 6BA-LA900S 最小回転半径 4.8m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 3.4m×1.48m×1.63m
ドア数 5 ホイールベース 2.46m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.3m/1.3m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.05m×1.31m×1.27m
4WS - 車両重量 830kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 4名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.19m
マニュアルモード -    
標準色

レイクブルーメタリック、フォレストカーキメタリック、サンドベージュメタリック、レモンスカッシュクリスタルメタリック、スプラッシュブルーメタリック、ブライトシルバーメタリック、ブラックマイカメタリック

オプション色

コンパ―ノレッド、シャイニングホワイトパール

掲載コメント

-

型式 6BA-LA900S
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 レイクブルーメタリック、フォレストカーキメタリック、サンドベージュメタリック、レモンスカッシュクリスタルメタリック、スプラッシュブルーメタリック、ブライトシルバーメタリック、ブラックマイカメタリック
オプション色 コンパ―ノレッド、シャイニングホワイトパール
シート列数 2
乗車定員 4名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
-
最小回転半径 4.8m
全長×全幅×
全高
3.4m×1.48m×1.63m
ホイール
ベース
2.46m
前トレッド/
後トレッド
1.3m/1.3m
室内(全長×全幅×全高) 2.05m×1.31m×1.27m
車両重量 830kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.19m
掲載用コメント -
エンジン型式 KF 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 30リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 25.7km/L
総排気量 658cc 燃費(WLTCモード) 20.5km/L
└市街地:17.6km/L
└郊外:22.4km/L
└高速:20.8km/L
燃費基準達成 R02年度燃費基準
達成車
最高出力 52ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
60(6.1)/3600
エンジン型式 KF
種類 直列3気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 658cc
最高出力 52ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
60(6.1)/3600
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 30リットル
燃費(JC08モード) 25.7km/L
燃費(WLTCモード) 20.5km/L
└市街地:17.6km/L
└郊外: 22.4km/L
└高速: 20.8km/L
燃費基準達成 R02年度燃費基準 達成車

●タフト Gターボ

型式 5BA-LA900S 最小回転半径 4.8m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 3.4m×1.48m×1.63m
ドア数 5 ホイールベース 2.46m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.3m/1.3m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.05m×1.31m×1.27m
4WS - 車両重量 840kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 4名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.19m
マニュアルモード -    
標準色

レイクブルーメタリック、フォレストカーキメタリック、サンドベージュメタリック、レモンスカッシュクリスタルメタリック、スプラッシュブルーメタリック、ブライトシルバーメタリック、ブラックマイカメタリック

オプション色

コンパ―ノレッド、シャイニングホワイトパール

掲載コメント

-

型式 5BA-LA900S
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 レイクブルーメタリック、フォレストカーキメタリック、サンドベージュメタリック、レモンスカッシュクリスタルメタリック、スプラッシュブルーメタリック、ブライトシルバーメタリック、ブラックマイカメタリック
オプション色 コンパ―ノレッド、シャイニングホワイトパール
シート列数 2
乗車定員 4名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
-
最小回転半径 4.8m
全長×全幅×
全高
3.4m×1.48m×1.63m
ホイール
ベース
2.46m
前トレッド/
後トレッド
1.3m/1.3m
室内(全長×全幅×全高) 2.05m×1.31m×1.27m
車両重量 840kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.19m
掲載用コメント -
エンジン型式 KF 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 ターボ 燃料タンク容量 30リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 25.4km/L
総排気量 658cc 燃費(WLTCモード) 20.2km/L
└市街地:17.9km/L
└郊外:21.9km/L
└高速:20.3km/L
燃費基準達成 R02年度燃費基準
達成車
最高出力 64ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
100(10.2)/3600
エンジン型式 KF
種類 直列3気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 658cc
最高出力 64ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
100(10.2)/3600
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 30リットル
燃費(JC08モード) 25.4km/L
燃費(WLTCモード) 20.2km/L
└市街地:17.9km/L
└郊外: 21.9km/L
└高速: 20.3km/L
燃費基準達成 R02年度燃費基準 達成車
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。