ロッキー▲2021年11月にマイナーチェンジした新型ダイハツ ロッキー。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による試乗の様子をお届けする

モーター以外でも進化したポイントが多数

昨年11月にダイハツ ロッキーに改良モデルがアナウンスされたのは、興味のある方ならご存じであろう。

モデルが改良される場合には様々なパターンがあるが、今回のロッキーはハイブリッドモデルが追加導入されたことが最も興味を示す部分ではないかと思う。

今回はハイブリッドモデルと、改良されたガソリンモデルの両方に試乗したので、その模様をお届けしたい。

ロッキー ▲ハイブリッド、ガソリンモデルともにエクステリアの変更はほぼないが中身は大幅進化

まずは、話題のハイブリッドモデルである。ハイブリッド車が最も得意とするのは市街地だ。今回は東京プリンスホテル周辺の一般道で試した。

こちらはダイハツが新しく開発した3気筒 1.2Lユニットのパワープラントによって発電し、その電気を専用のモーターに送り動力として動かす。これは「e-SMART HYBRID」と呼ばれるシステムである。

このシステムはトヨタの技術協力もあったであろうが、ダイハツが独自に研究して作られたHEVである。

ロッキー ▲搭載されるエンジンは発電専用の1.2L

3人乗車で静々と走らせてみる。2019年に発売した改良前のロッキーでは、正直言って静粛性や乗り心地はお世辞にとてもいいとは思わなかった。特に17インチのホイールを装着した仕様は、ゴツゴツ感の印象が強かった。

しかし、今回のプレミアム「プレミアム G HEV」は、乗り心地も以前よりも改良されている。

パワーステアリングのモーターアシストも以前よりもしっかりとした印象だ。バイブレーションが感じられたプラットフォームも、ダンピングとのマッチングの恩恵かなかなかいい。

そして、何よりもモーターによる動力によって静粛性が増しているのは当然だが、それに見合ったボディの作り込みも感じられる。小型SUVとしてバリューを上げた印象だ。

ロッキー ▲デジタルメーターにより燃費や電力チャージの様子を確認できる

加速と減速を繰り返すと、発電機のエンジンがちょくちょく始動する。しかし、新開発のエンジンは静粛性と振動も考慮したことによって、キャビン内は快適だ。

後席の乗り心地は少々突き上げを感じたが、このクラスでは致し方ない。スムーズに加速してブレーキのコントロール性もこのクラスとしては最良のパーツを装着したと言えるだろう。

EV走行を積極的に行うモードで売りのひとつである「スマートペダル(S-PDL)」を使って積極的に加減速を試してみるが、このあんばいに慣れるとフラットな市街地ではとてもイージーでスムーズなドライブが可能だ。

ひとつ気になるといえば、発電をするときにエンジンが始動するがこのエンジンの排気の音が車外では気になる。地味な部分であるが、今後改良をすると中身のスマートさに増して、周りへのスマートさが増すのではないだろうか。

ロッキー ▲ボタンひとつで「スマートペダル(S-PDL)」への切り替えが可能

CVTの静粛性が向上したガソリン車

比べるためにガソリンモデルの「プレミアムG」も試乗してみる。

専用設計したエンジンとCVTの組み合わせはいかがだろうか。ここが最も気になる部分だ。過去のダイハツのCVTの印象は、もろ手を挙げてGoodとは言えなかったからである。

走り出しは軽快だ。1tを切った980kgの恩恵は素晴らしい。軽量だからといってゴトゴトする印象もない。

ロッキー ▲走行時の静粛性が向上

HEVモデルと比べると、乗り心地のしなやかさは落ちるが以前よりも良くなった。加減速時のエンジンとCVTのマッチングもかなり良好だ。特にCVTの音が静かになっている。

エンジンの静粛性と振動も少なく、音がハーモニックな印象で耳障りする嫌な印象は皆無だ。満を持して剛性の高い3気筒ユニットを作ってきたと感じられる。

しかし、アイドリングストップから再始動時の音と速さはもう少しスムーズになるとさらに質感が向上するはずである。

ロッキー ▲従来2WDは1Lエンジンを搭載していたが、1.2Lに拡大された

とはいえ、この仕様とパフォーマンスで200万円とちょっとというのは昨今、価格が上昇する傾向にある中とても魅力的なプライスだ。

それにも増して、HEVモデルは235万円を切る価格設定はかなりお値頃な印象がある。

小型SUVでこれほどの静粛性とパフォーマンスを備えたHEVは満足度が高い。

1時間ほどではあったが、マネーフォーバリューの高さを感じさせられる仕様の違いが理解できる都内中心地での試乗であった。

ロッキー ▲価格も快適性も魅力のニューモデル誕生
文/松本英雄、写真/篠原晃一

▼検索条件

ダイハツ ロッキー(現行・後期型) × 全国

【試乗車 諸元・スペック表】
●ロッキー 1.2 プレミアム G HEV

型式 5AA-A202S 最小回転半径 5m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4m×1.7m×1.62m
ドア数 5 ホイールベース 2.53m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.48m/1.47m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.96m×1.42m×1.25m
4WS - 車両重量 1070kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.19m
マニュアルモード -
標準色

マスタードイエローマイカメタリック、ファイアークォーツレッドメタリック、ナチュラルベージュマイカメタリック、ブラックマイカメタリック、スムースグレーマイカメタリック

オプション色

コンパ―ノレッド、レーザーブルークリスタルシャイン、シャイニングホワイトパール、ブラックマイカMxコンパ―ノレッド、ブラックマイカM/シャイニングホワイトP、ブラックマイカMxスムースグレーマイカM

掲載コメント

-

型式 5AA-A202S
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 マスタードイエローマイカメタリック、ファイアークォーツレッドメタリック、ナチュラルベージュマイカメタリック、ブラックマイカメタリック、スムースグレーマイカメタリック
オプション色 コンパ―ノレッド、レーザーブルークリスタルシャイン、シャイニングホワイトパール、ブラックマイカMxコンパ―ノレッド、ブラックマイカM/シャイニングホワイトP、ブラックマイカMxスムースグレーマイカM
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5m
全長×全幅×
全高
4m×1.7m×1.62m
ホイール
ベース
2.53m
前トレッド/
後トレッド
1.48m/1.47m
室内(全長×全幅×全高) 1.96m×1.42m×1.25m
車両重量 1070kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.19m
掲載用コメント -
エンジン型式 WA-VEX 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 33リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 34.8km/L
総排気量 1196cc 燃費(WLTCモード) 28km/L
└市街地:29.6km/L
└郊外:30.2km/L
└高速:26.1km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準
達成車
最高出力 87ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
113(11.5)/4500
エンジン型式 WA-VEX
種類 直列3気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1196cc
最高出力 87ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
113(11.5)/4500
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 33リットル
燃費(JC08モード) 34.8km/L
燃費(WLTCモード) 28km/L
└市街地:29.6km/L
└郊外: 30.2km/L
└高速: 26.1km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準 達成車

●ロッキー 1.2 プレミアム G

型式 5BA-A201S 最小回転半径 5m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4m×1.7m×1.62m
ドア数 5 ホイールベース 2.53m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.48m/1.47m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.96m×1.42m×1.25m
4WS - 車両重量 980kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.19m
マニュアルモード
標準色

マスタードイエローマイカメタリック、ファイアークォーツレッドメタリック、ナチュラルベージュマイカメタリック、ブラックマイカメタリック、スムースグレーマイカメタリック

オプション色

コンパ―ノレッド、レーザーブルークリスタルシャイン、シャイニングホワイトパール、ブラックマイカMxコンパ―ノレッド、ブラックマイカM/シャイニングホワイトP、ブラックマイカMxスムースグレーマイカM

掲載コメント

※2030(R12)年度燃費基準75%達成車

型式 5BA-A201S
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 マスタードイエローマイカメタリック、ファイアークォーツレッドメタリック、ナチュラルベージュマイカメタリック、ブラックマイカメタリック、スムースグレーマイカメタリック
オプション色 コンパ―ノレッド、レーザーブルークリスタルシャイン、シャイニングホワイトパール、ブラックマイカMxコンパ―ノレッド、ブラックマイカM/シャイニングホワイトP、ブラックマイカMxスムースグレーマイカM
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5m
全長×全幅×
全高
4m×1.7m×1.62m
ホイール
ベース
2.53m
前トレッド/
後トレッド
1.48m/1.47m
室内(全長×全幅×全高) 1.96m×1.42m×1.25m
車両重量 980kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.19m
掲載用コメント ※2030(R12)年度燃費基準75%達成車
エンジン型式 WA-VE 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 36リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 23.6km/L
総排気量 1196cc 燃費(WLTCモード) 20.7km/L
└市街地:15.9km/L
└郊外:21.9km/L
└高速:22.9km/L
燃費基準達成 -
最高出力 87ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
113(11.5)/4500
エンジン型式 WA-VE 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 36リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 23.6km/L
総排気量 1196cc 燃費(WLTCモード) 20.7km/L
└市街地:15.9km/L
└郊外:21.9km/L
└高速:22.9km/L
燃費基準達成 -
最高出力 87ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
113(11.5)/4500
エンジン型式 WA-VE
種類 直列3気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1196cc
最高出力 87ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
113(11.5)/4500
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 36リットル
燃費(JC08モード) 23.6km/L
燃費(WLTCモード) 20.7km/L
└市街地:15.9km/L
└郊外: 21.9km/L
└高速: 22.9km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。