スバル XVハイブリッド|プロトタイプ試乗

ボディサイズはベースのインプレッサXVと同じ。写真のプラズマグリーン・パールはハイブリッドのイメージ色。アルミホイールも専用デザインだ

走行性能を重視するスバルらしいハイブリッドカー

堅実性を重視したメカニズムに注目

スバル初のHVのベースとして選ばれたのはインプレッサXV。車高を抑えながら最低地上高を上げ、ファッション性と本格的4WD性能を両立したSUVに分類される車だ。

XVはエンジンのクランクシャフトが進行方向に平行となる縦置きユニットを採用する。この形であれば、トランスミッション後部にHVのモーターを組み込めるため、荷重を分散させられ前後重量配分が片寄らないというメリットがある。重量のあるモーターを、走行性能に影響が出ないように車両の中心に置いているのだ。

さらに、日産 セレナ(S-HYBRID)でも使われているインテグレーテッド・スターター・ジェネレーターを採用している。セレナはこれを補助的な動力源としているが、XVではエンジン再始動用として活用する。通常のスターターモーターも装備しているが、万が一を考え確実なメカニズムを残したところがスバルらしい。またエネルギー回生も4輪から得られるために充電にも有利だ。

カタログの数値よりユーザーのことを考えた手法

プロトタイプの試乗は一般道で行われなかったため、部分的な評価であることをお許しいただきたい。

ゆっくり走り出すとEV走行のために静かだ。少々踏む込むとエンジンが目を覚ます。モーターの出力は10kw程度だから、違和感のない程度にトルクが太くなった加速を体感できる。

発進時などのエンジン回転数が低いときのトルクアップは低燃費化に有効で、同時にキビキビ感も出る。後輪軸上(従来のスペアタイヤエリア)に置かれるバッテリーは、若干コーナリング時に重みを感じることもあるが運動性は減じていない。かえって乗り心地が良くなっている。特に後席の乗り心地が良い。

燃費値は控えめなHVだがメカニズムは堅実。燃料を抑えながらトルクを増幅させ加速性能を得るやり方は、カタログの数値よりユーザーを考えた手法だ。

フロントとリアのランプにはブルーのアクセントカラーが入ったクリアランプを採用

フロントとリアのランプにはブルーのアクセントカラーが入ったクリアランプを採用

ハイブリッドの2.0iLと2.0iLアイサイトはツートーンのシートを標準装備

ハイブリッドの2.0iLと2.0iLアイサイトはツートーンのシートを標準装備

全グレードとも2L水平対向DOHC+モーターを搭載し、JC08モード燃費は20.0km/L

全グレードとも2L水平対向DOHC+モーターを搭載し、JC08モード燃費は20.0km/L

SPECIFICATIONS

グレード ハイブリッド2.0i ハイブリッド2.0i-L ハイブリッド2.0i-L EyeSight
駆動方式 4WD
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4450×1780×1550
ホイールベース(mm) 2640
車両重量(kg) 1500 1510
乗車定員(人) 5
エンジン種類 水平対向4DOHC+モーター
総排気量(cc) 1995
最高出力[kW(ps)rpm] 110(150)/6000+10(13.6)
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 196(20.0)/4200+65(6.6)
JC08モード燃費(km/L) 20.0
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/52
車両本体価格(万円) 249.9 267.75 278.25
Tester/松本英雄 Photo/篠原晃一