※この記事はカーセンサー関東版13号2000年4月6日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
(Tester/松下 宏 Photo/桜井 健雄)

4WDシステム採用による重量増も、V6エンジンのトルクで余裕の走り

ホンダ アヴァンシア 走り|ニューモデル試乗 ホンダ アヴァンシア リアスタイル|ニューモデル試乗
↑重量増を感じさせない、トルク感のある走りをみせる(左)クラブデッキと呼ぶボディは、余裕のある室内空間を提供してくれる優れものだ(右)
アヴァンシアは1999年9月にデビューしたとき、FFが基本で4WD車の設定は4気筒2.3L車だけの設定だった。そして2000年2月、V型6気筒3Lエンジンを搭載したモデルにも4WD車が追加設定された。モデル名はアヴァンシアV-4だ。

4WDシステム自体は4気筒車と同じでデュアルポンプ式を採用。ホンダの4WD車に幅広く採用されているシステムである。 デュアルポンプ式4WDの特徴は、通常はFF車に近い走りをして前輪がスリップをしたときに、後輪にも駆動力が伝わるようになることだ。ドライのオンロードを走っている分には、これまでのFF車と変わらない走行感覚といえる。

4WDでも静かでスムーズ。上級車らしい気持ちよい走りはFFと同様

ホンダ アヴァンシア エンブレム|ニューモデル試乗ホンダ アヴァンシア エンジン|ニューモデル試乗
↑FF車と4WD車の違いはエンブレムだけではない。実はボディサイズも違うのだ(左)排気量の余裕を生かしてトルクフルな走りを実現する。FF車と同じエンジン(右)
3Lエンジンは排気量を生かしたトルク感のある走りを見せる。これはFFのV6エンジン搭載車と同じだ。4WDシステムによって110kgも重量が増加しているが、それを苦にしない走りをする。 アヴァンシアはそもそも静粛性が高いクルマだ。通常の走りはほぼFF状態であるだけに、4WD車でも静かでスムーズな走りは変わらない。上級車らしい気持ちよい走りも同様といえる。

今回の試乗とは別に、北海道の雪上でもアヴァンシアのV-4に試乗したが、滑りやすい路面でも走りはまずまず。採用する4WDシステムの特徴から、前輪がスリップした後で後輪にもトルクが伝わるので、「あれ? 前に行かない」と感じる瞬間があるが、次の瞬間にはもう4WDになって走り出している。

FF車と4WD車との価格差が26万円というのは、デュアルポンプ式4WDシステムの取付を考えれば、まあ妥協できる範囲内だろう…。
主要諸元のグレード V-4
駆動方式 4WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4795×1810×1545
ホイールベース(mm) 2765
車両重量(kg) 1710
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6SOHC
総排気量(cc) 2997
最高出力[ps/rpm] 215ps/5800rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 27.7kg-m/5000rpm
10・15モード燃費(km/L) 9.4
ガソリン種類/容量(L) 無鉛ガソリン/61
車両本体価格 295.5万円
コンセプト 3点
フィニッシュ 4点
前席居住性 5点
後席居住性 5点
内装の質感 4点
取り回し 3点
操作系の使い勝手 4点
ラゲージルーム 3点
パワー感 4点
トルク感 4点
加速性能 4点
乗り心地 4点
操縦安定性 4点
高速安定性 4点
しっかり感 4点
ブレーキ性能 4点
環境対策 4点
燃費 3点
ステータス 4点
コストパフォーマンス 3点
得点合計 77/100