ミニバンの常識を覆す高い運動性能と快適性を両立する

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コンセプト

インチアップ&ローダウンで欧州車を超える走りを目指す

ミニバンを日本のマーケットに根付かせ、かつ急激な市場拡大の求心力となったのが初代オデッセイだった。

2代目の発売は1999年12月で、今回はその初のマイナーチェンジモデルとなる。同時に追加設定された新グレードのアブソルートは「大人のエレガンス&ダイナミクス」がコンセプトで、ホンダがアヴァンシア・ヌーベルバーグから始めた「欧州車を超える走り味」を求めた第2弾でもある。

車高を15mm下げたローダウンサスと大径の17インチタイヤ&ホイールの採用、専用グリルや前後 バンパーなどの外観の特徴に加え、専用ブラック内装などがスポーティなテイストを醸し出す。エンジンは2.3L直4と3LV6が選べて、それぞれにFFと4WDがあるが、外装には差を与えていない。
室内&荷室空間

黒基調でスポーティにホールド性も高められた

オデッセイのシート配列は3列が基本。セカンドシートはベンチタイプとセパレートタイプのキャプテンシートが選べるが、快適性ではキャプテンシートが上だ。サードシートは広くはないがそれでも大人2人がちゃんと座れる。また使用しない時は、スッポリと床下に収納できる工夫がなされ、荷室は十分に広いが、さらにセカンドシートも座面を跳ね上げて前方へスライドできるので、イザという時にはかなりの荷物が積める。

黒色を基本とする内装はミニバンぽくなくスポーティな感覚を放つ。シートは今回のマイチェンで運転席、助手席に低反発パッドが新採用され、さらに表皮の改良により、しっとりと身体を受けとめる心地よいものとなった。アブソルートはホールド性も高い形状。
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ドライブフィール

乗りごこちの悪化を抑えつつ高い操縦安定性を身につけた

試乗したアブソルートは2.3L VTECエンジン搭載のFF。

もともと新型オデッセイは、正なハンドリングに代表される走りの良さで定評があったが、アブソルートはちょっと別格ともいえる操縦安定性を身につけていた。

ステアリングの動きにシャープ過ぎず素直に曲がる感覚や、うねりのある路面でのホールド感などはミニバンの常識を覆すもの。ロールも抑えられて、乗員が左右に振られる感覚も随分と減った。

ローダウンサスの採用による乗り心地の悪化は少なく、低速域ではかためながらもゴツゴツ感や突き上げ感が抑えられたもので、速度域が高まるとフラットな感じが増して快適。スムーズで心地よいフィールエンジンは従来から変化無し。余裕を求めるならV6だ。
こんな人にオススメ
ミニバンでも心地よい走りが欲しい。欧州車のテイストに少しでも近い走りが欲しい。高速道路でもワインディングでもセダンに劣らない走りが欲し い。アブソルートはそんな人にピッタリだ。しかも、スポーツライクなだけでなく、質の高い走りを追求しているのも好ましい。
SPECIFICATIONS
グレード アブソルート
駆動方式 FF
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4845 x 1800 x 1615
ホイールベース(mm) 2830
車両重量(kg) 1650
乗車定員 7人
エンジン種類 直4SOHC
総排気量(cc) 2253
最高出力 110kW(150ps)/5800rpm
最大トルク 206N・m(21.0kg-m)/4800rpm
車両本体価格 249.5万円
写真:宮門秀行 文:斉藤慎輔