まさに欧州生まれのしなやかな走行フィーリング
(Tester/島崎七生人 Photo/尾形和美、篠原晃一)

日産 デュアリス 走り|ニューモデル試乗 日産 デュアリス フロント|ニューモデル試乗 日産 デュアリス リア|ニューモデル試乗

テスト車両:
20G(FF) 222万750円
20G FOUR 243万750円
■主要諸元:20G FOUR
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:CVT
●全長4315×全幅1780×全高1615mm
●ホイールベース:2630mm
●車両重量:1480kg
●乗車定員:5人
●エンジン種類:直4DOHC
●総排気量:1997cc
●最高出力:101kW(137ps)/5200rpm
●最大トルク:200N・m(20.4kg-m)/4400rpm
●使用燃料:無鉛レギュラー
●燃料タンク容量:65L
●10・15モード燃費:13.8km/L
●タイヤサイズ:215/60R17


コンセプト
欧州のCセグメント車をライバルとする新型車

日産 デュアリス SUV|ニューモデル試乗 日産 デュアリス 4WD|ニューモデル試乗 日産 デュアリス グラスルーフ|ニューモデル試乗

「走りも内/外観の雰囲気も心地いい車ですね」。試乗後、印象を問われたのでそう答えると、「我々の狙いどおりです」と開発スタッフは顔をほころばせた。欧州向け“キャシュカイ”の日本仕様車である“デュアリス”は、SUV仕立てだが、VWゴルフなどもライバル視したクロスオーバー車だ。その点が、よりSUV寄りのエクストレイルとの大きな違い。

またムラーノの弟分ではあるが、よりムキッと塊感、存在感のあるスタイルも特徴だ。全長×全幅×全高=4315×1780×1615mmと、ボディ寸法も不当に大きすぎない。そしてUKからの“輸入車”ながら、195万3000円~243万750円と、目下の経済情勢に照らし価格設定もかなり意欲的。さりげないが見どころの多い車だ。

室内&荷室空間
さりげなく輸入車であることがわかる質感の高さ

日産 デュアリス インパネ|ニューモデル試乗 日産 デュアリス フロントシート|ニューモデル試乗 日産 デュアリス リアシート|ニューモデル試乗

室内のデザインは、最近の日産車のなかでは(上級車を含め)デザインセンス/質感ともに最良の部類。インパネはディテールのどこにもあざとさがなく、落ち着いたデザインがいい。インパネ表面は指で押すと少し凹むソフトな素材を用いているし、細かな柄のシート表皮も大人びている。

前席は中央/側面でクッション硬度を違え、走行中の姿勢保持性を高めている。後席はスペースが十分、着座姿勢も自然でいい。それと驚くのがラゲージスペースの広さ。後席を使用した状態でも奥行き、幅とも十分で、長期間の旅行へも安心して出かけられそう。クイックブローシステム(素早く室内を快適な温度にできる)や、上級グレードなら左右独立温度調整式のエアコンも備わる。

ドライブフィール
60kg重くてもよりフラットな乗り味を持つ4WDが好印象

日産 デュアリス エンジン|ニューモデル試乗 日産 デュアリス アルミホイール|ニューモデル試乗 日産 デュアリス サスペンション|ニューモデル試乗

チャラチャラ感がなさそう…。平たく言うとそんな印象のデュアリスは、走りも同様の仕上がり。特にいいと思ったのが4WDの走りっぷり。FFより車重が60kg加算されるせいもあり、乗り心地のフラット感がより高まるし、屈曲路を走った際の車の身のこなしも唐突感のない、しなやかなフィーリング。さらに高速走行もズシリと安定感を保ってくれる。乗り心地自体は、低速域からちゃんとダンパーが利いてくれる感じが、ここ最近の日産車とは異なる好感のもてるポイント。ステアリングの味つけも違和感ない。

137ps/20.4kg-mの性能を発揮する2LエンジンとCVTの組み合わせも問題なし。動力性能に不満は覚えないし、CVTのマナーも車庫入れから走行時までOKだった。

こんな人にオススメ

大人でも乗れるSUV。本来ジドウシャとは、特定の世代に媚びたりすべき商品ではなく、欧州車などはずっとそうやって作られてきた。デュアリス(車名はやや直球だが…)は、その意味でエクストレイルよりも間口が広く、懐が深い。この車なら、安い=若づくり的な気後れを感じながら乗ることに抵抗があった大人でも選べる。

【日産 デュアリスのカタログを見る】