7000回転を超えても気持ちよさが続く、円熟の走り
(Tester/斉藤慎輔 Photo/尾形和美)

日産 フェアレディZ 走り|ニューモデル試乗 日産 フェアレディZ フロント|ニューモデル試乗 日産 フェアレディZ リア|ニューモデル試乗
テスト車両:バージョンST(6MT)
■車両価格:394万8000円
■主要諸元
●駆動方式:FR
●トランスミッション:6MT
●全長4315×全幅1815×全高1315㎜
●ホイールベース:2650㎜
●車両重量:1500㎏
●乗車定員:2人
●エンジン種類:V6DOHC
●総排気量:3498cc
●最高出力:230kW(313ps)/6800rpm
●最大トルク:358N・m(36.5㎏-m)/4800rpm
●使用燃料:無鉛プレミアム
●燃料タンク容量:80L
●10・15モード燃費:9.2㎞/L
●タイヤサイズ(前/後):225/45R18/245/45R18


コンセプト
毎年確実に進化を続ける 日本が誇るザ・スポーツカー

日産 フェアレディZ エンブレム|ニューモデル試乗 日産 フェアレディZ ボディライン|ニューモデル試乗 日産 フェアレディZ ヘッドランプ|ニューモデル試乗
フェアレディZは乗用車系のモデルとプラットフォームやコンポーネンツを共用化することで、価格を抑えた量産スポーツカーだ。性能面やデザイン面での制約は多少あるが、「現実味ある価格」を可能とすることで販売台数を確保し、毎年の改良も行ってきた。こうしたスポーツカーが減ってきた中で、貴重な一台でもある。

現在のモデルは、2002年にモデルチェンジされたが、開発責任者は「毎年、必ず進化させたい」と述べていた。これまで、サスペンションチューニングによる乗り心地向上や内装の質感改善などを行ってきたが、今年はエンジンの性能向上が主たる改良箇所だ。

室内&荷室空間
待望のVQ35HRエンジンを搭載 ボンネットも初代を彷彿とさせる

日産 フェアレディZ インパネ|ニューモデル試乗 日産 フェアレディZ フロントシート|ニューモデル試乗
新エンジンは、基本は先にフルモデルチェンジされたスカイラインに搭載のVQ35HRと同じだが、給排気系の取り回しの差で最高出力は2psだけ低い数値となる。レブリミットで7500rpmまで回るこのエンジンは、ハイレスポンスであることがウリ。またスカイラインにはない、MTとの組み合わせが選べるのがZだけの特権だ。

外観では、新エンジンの高さに合わせ、ボンネットが初代Zを髣髴とさせる中央部が盛り上がったものとなった。ただ、歩行者保護の観点からは、ボンネットとエンジンの隙間が極少のため、頭部が当たった際などに、衝撃緩和が難しいといった課題は残されている。

ドライブフィール
スポット溶接の増強によりボディ剛性は確実に向上

日産 フェアレディZ エンジン|ニューモデル試乗 日産 フェアレディZ アルミホイール|ニューモデル試乗
今回、エンジンは性能向上したが、サスペンションなどには手が加えられていない。ほんのわずかだか、エンジン重心高が高くなるなど、走りに影響を及ぼしそうなところもあるのだが、サーキットでの動きで、それを感知させるようなことはまったくなかった。

なにより、エンジンが、気持ちよく7000rpm以上まで吹け上がりパワーもしっかりとついてくるので、これまで3速にアップしなければいけなかった場所でも、2速のまま飛び込み鋭い加速もできる。なにより、ドライビングが心地よく楽しめるのがいい。

ボディは、ピラーとルーフ回りのスポット数が増え、感覚的にもボディ剛性向上を認識させる。エンジンの魅力を増したことだけでなく、着実な進化を感じさせた。

こんな人にオススメ
モデルチェンジされた当初はアラも目についたが、これまでの改良で洗練度を増してきた。最新スカイラインと比べても、ステアフィールやアクセル操作に対するリニアリティにおいては人の感覚に忠実で好ましい。エンジンパワーを向上させながらむやみに速さを誇示しない新型Zは、より大人にふさわしいスポーツカーに育った感がある。

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