硬い乗り味だが不快さなし、エンジンはライバルより上

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コンセプト

2500ccのエンジンと7人乗りを新たに設定

1999年6月にデビューしたセレナがビッグマイナーチェンジを行い、各所が大幅に変更された。

外観では前後のデザインが一新。とくにリアビューは、左右を貫いてつながっていた赤いラインが廃され、コンビランプは両サイドのみとなった。そしてインテリアではインパネが全面的に変更。また8人乗りに加え7人乗りが新設定され、シートアレンジでも2列目を脱着/回転式にし、3列目のシートには座面がセンターから割れて跳ね上がる形で格納できる機能がオプションとして追加された。

搭載エンジンは新鋭のQR系に変更され、2500ccと2000ccの2本立てとなった。新設定の2500ccエンジン搭載車は、2000ccの最上級バージョン(CVT仕様)にプラス10万円という良心的なプライスだ。
室内&荷室空間

サードシートは分厚く日常的な使用に堪える

“低姿勢”のバン&ワゴンが少なくない昨今だが、このセレナの全高はノーマルルーフ仕様で1825mmあり、また前席のヒップポイント(地上からの着座位置の高さ)も800mm以上。これは、ややよじ登るという感じの高さではあるが、しかし、乗用車とは一線を画すビークルなのだ、という主張にも感じられた。

さらにサードシートも決してエマージェンシー用というわけではなく、十分に日常的な使用に堪えるサイズと使い心地をもっている。今回、左右跳ね上げ式が加わったが、決して収まりがよいものではない。しかし、しっかりと作られたシートは、もともと簡単にしまうことができるようなサイズではないのだ。このサードシート左右跳ね上げ式は、2列目を2人で使うキャプテンシートの7人乗り仕様でも選べる。
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ドライブフィール

しっかりしたアシが高い着座位置をカバー

乗り心地はやや硬めにまとめてあるが、“突き上げ感”などはまったくないので、硬さに伴う不快さはない。またロールも少なく、アシがこのようにしっかりしているため、走っていても、着座位置が高いことによる不安感はなかった。まあ昨今の他車に対しては、この“高さ”は乗降性の面でハンディとなる かもしれないが、しかし乗ってしまえば高さによる眺望の良さもある。ユーザーとしてどっちをとる?

エンジンは2000cc仕様でもトルクが太く、ストレスの少ない走りを可能とする。ただCVTは、Sレンジに入れたときにややノイジーとなるのだが。2500cc仕様なら、さらに余裕のある走りとなる。エンジン性能ではライバルに対して優位で、エンジンの変更は大いに成果を上げたといえよう。
こんな人にオススメ
車は、6人以上で乗る機会がほとんどという人に。3列目シートに座っても十分な空間があって、しかもゆったりしているというミニバンは、仮にクラスを上げても実はそう存在しない。それでいて5ナンバー、そして2000㏄でもチカラあり。デザインもようやくあか抜けた。
SPECIFICATIONS
グレード V-Gナビパッケージ
駆動方式 FF
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4590×1695×1825
ホイールベース(mm) 2695
車両重量(kg) 1580
乗車定員 7人
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1998
最高出力 108kW(147ps)/6000rpm
最大トルク 198N・m(20.2kg-m)/4000rpm
車両本体価格 229.0万円 
写真:奥隅圭之 文:家村浩明