目を引く美しさと、快適性を手に入れた、魅惑のロードスター

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PERFORMANCEエンジン種類やミッション、最新装備などを解説

1年遅れて、待望の登場

クーペモデルがZ34型にバトンタッチして約1年、待望のロードスターがフルモデルチェンジ。ロードスターらしくエクステリアは専用デザイン。クーペとはリア回りが大きく異なり、躍動感あふれるその姿はなかなかセクシー。エンジン、ミッション、足回りのセッティングなどはクーペと共通の設定となる。

DRIVING実際に運転してのドライビングフィールを解説

風を“味方”にした空力は見事

新デザインの18インチアルミ装着車に試乗。少し角が取れた乗り味は、いい意味での“ゆるさ”で、この車のキャラクターに合っている。特筆すべきはオープン時の風の巻き込み具合で、これが非常に少なく、高速走行時も快適だ。風を味方にした空力デザインはポルシェボクスターより上の実力である。
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SPACE室内空間の広さや演出を解説

少ないなりに努力は買える

クーペとほぼ共通設計となるシート後方の収納ボックスには新たに照明をプラス。ラゲージスペースは正直小さいが、1泊程度の旅行なら2人分の荷物は積める。また最も気になるゴルフバッグは1つ。積載するにはコツが必要だが手順がトランク内に書いてあるので心配ない。

OWNERSHIPスタイルや品質など所有する喜びなどを検証

見られることに喜びを感じる人向け

クーペのもつダイナミックな走りへの憧れに比べると、やや“ゆるキャラ”。Zらしさは残しながら、とにかく目立ちたい人、人から注目されたいと思っている人に、これほどぴったり来る車はない。もちろんパフォーマンスの高さも一級品なので、所有する喜びも得られることは間違いない。

SPECIFICATIONS

グレード バージョンST
駆動方式 FR
トランスミッション 7AT
全長×全幅×全高(mm) 4250×1845×1325
ホイールベース(mm) 2550
車両重量(kg) 1580
乗車定員 2人
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3696
最高出力 247kW(336ps)/7000rpm
最大トルク 365N・m(37.2kg-m)/5200rpm
車両本体価格 509.3万円

RATING走行性能だけでは車は語れない。そこで快適装備の充実度や安全性の高さ、環境性能、燃費、バリューの5つのポイントで評価する

総合評価14/ 25
EQUIPMENT(装備)3/ 5
バージョンSTとTには専用のBOSEサウンドシステムが標準装備。幌の開閉時に専用の音響特性に切り替わるが、特にオープン時は音の定位がしっかりしており風の音に負けず音楽が楽しめるのは見事。
SAFETY(安全性)4/ 5
ABSやVDCは標準装備。クーペであればカーテンエアバッグが標準装備されるが、ロードスターの場合はユニットを収納する場所がない。そこでこれをドア側にマウント。このアイデアには思わず脱帽。
ECO(環境性能)2/ 5
平成17年度排出ガス基準は50%低減で星3つだが、平成22年度燃費基準は未達成。環境性能に関して地道な努力の跡はうかがえるが、スポーツカーだから…と言って許されるものでもない。今後に期待。
MILEAGE(燃費)1/ 5
試乗した7AT車の10・15モード燃費は9.4km/L。6MTが9.5km/L。バージョンSTの場合、クーペより50kg車重が増すが、タイヤサイズが1インチ小さくなることもあり、数値上は同じにまとめてある。
VALUE(バリュー)4/ 5
車の性格上、ユーザーはクーペ以上に絞られるのは当然。しかし、そのアピアランス、ドライバーが感じる爽快な走りは金額では評価できないほど。日本はこんないい車が買える国なのです。
写真:篠原晃一 文:高山正寛