※この記事はカーセンサー関東版34号(2000年9月14日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

加速に余裕はないが、実用性重視ならNAモデルで十分だ

  • ボルボ V70 2.4 走り|ニューモデル試乗
  • ボルボ V70 2.4 リアスタイル|ニューモデル試乗
↑ターボほど加速は鋭くないが、賢い5ATとの組み合わせで、あらゆる走行シーンでスムーズなドライブが可能(左)新型になりより洗練された外観。しかし独特の形と実用性は受け継がれている(右)
新型V70導入、その第1弾は2.4Lターボエンジン搭載モデルであった。第2弾となる今回は、水冷直列5気筒2.4LのNA(自然吸気)を搭載する2モデルがラインナップに加わった。

この2モデルは、同排気量ながらチューニングによってエンジンパワー&トルクが異なる。ベースグレードとなるV70は140ps/4500rpm、22.4kg-m/3750rpm。一方、V70 2.4は170ps/5900rpm、23.5kg-m/4500rpmを発揮する。実は同エンジン、先代の最終モデルにすでに搭載されていたが、今回はさらに環境対策などが考慮されている。

必要十分なエンジンと賢いAT、剛性感あるボディで正確な走行が可能

  • ボルボ V70 2.4 インパネ|ニューモデル試乗
  • ボルボ V70 2.4 エンジン|ニューモデル試乗
↑ターボモデルとの装備の違いは細かい装備がいくつか少ない程度(左)低回転域から十分なトルクを発揮し、NAらしい素直な加速感が印象的(右)
試乗したV70 2.4はターボモデルほど静かで余裕ある加速を見せるわけではない。しかし実際の走りは、NAらしい素直な加速感が印象的。これには5ATの的確な制御の存在が大きいだろう。あらゆる走行シーンでスムーズなドライブが可能だった。中低速域での速度コントロールがしやすく、ワインディングで再加速を行う際には思い通りのトルクを得ることもできる。

新型V70の強化されたボディと、バランスのよいサスペンションによって車自体にもムダな挙動は感じられない。ステアリング操作に対して素直な車の動きも実感できる。

また乗り心地は少々硬めではあるが快適さを損ねるものではなく、そこがボルボらしい乗り味とも言える。必要十分なパワー&トルクをもつエンジンと賢いAT、そして剛性感のあるバランスのとれたボディとの組み合わせで、ムダのない正確な走行を可能にしている。なお、インテリアやエクステリアの仕様・装備などは、先に導入されたターボモデルの2.4Tと大きな違いはない。

実用性重視で選ぶのであれば、NAモデルで十分だ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード V70 2.4
駆動方式 2WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4710×1815×1470
ホイールベース(mm) 2755
車両重量(kg) 1560
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直5DOHC
総排気量(cc) 2434
最高出力[ps/rpm] 170ps/5900rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 23.5kg-m/4500rpm
10・15モード燃費(km/L) 9.6
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/70
車両本体価格 460.0万円

飯田裕子の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 3点 加速性能 3点 ブレーキ性能 3点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 3点 乗り心地 4点 環境対策 4点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 5点 操縦安定性 4点 燃費 3点
後席居住性 4点 パワー感 3点 高速安定性 4点 ステータス 4点
内装の質感 4点 トルク感 4点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 3点
得点合計 75/100
(Tester/飯田 裕子 Photo/芳賀 元昌)