▲今回試乗したのは、2019年6月に発表された新型ボルボ V60のPHEV。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による公道試乗の模様をレポートする▲今回試乗したのは、2019年6月に発表された新型ボルボ V60のPHEV。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による公道試乗の模様をレポートする

上品でスタイリッシュなワゴンとして登場した最新のV60

より意識のお高いカスタマーに送るプラグインハイブリッド(PHEV)モデルが日本にも登場した。新型ボルボ V60だ。

ボルボではPHEVモデルを“Twin Engine”と呼んでいる。

動力は、フロントにエンジン、リアにモーター。つまり、ハイブリッドAWDなのである。

このモデルのガソリンエンジンは「T6」と呼ばれ、2L 4気筒ターボ+スーパーチャージャーを搭載する。

試乗車は「V60 T6 Twin Engine インスクリプション」。インテリアは、過度なゴージャス感を強調するのではなく、良質な雰囲気で勝負したモデルだ。

▲エンジン単体で馬力が253ps、最大トルクは350N・mを発生させる ▲エンジン単体で馬力が253ps、最大トルクは350N・mを発生させる
▲ドアを開けると質感の高いシートが出迎える。ボルボのこのクラスのシートは、他の欧州車にはない優しく包み込む安心感がある ▲ドアを開けると質感の高いシートが出迎える。ボルボのこのクラスのシートは、他の欧州車にはない優しく包み込む安心感がある
▲インテリアは上質で、素材の吟味も非常に上手だ。いつ乗っても満足感が得られる。加えて視認性がよいこともこの車の特徴だ ▲インテリアは上質で、素材の吟味も非常に上手だ。いつ乗っても満足感が得られる。加えて視認性がよいこともこの車の特徴だ

モーター、バッテリー重量の恩恵か。乗り心地が快適に

走り出しの静粛性はすこぶる高い。出だしの、トルクを最も使う部分をモーターがアシストしているからだろう。

“Twin Engine”登場当初のV90に比べると、リアのモーター駆動との統合制御が非常に良くなっており、唐突なトルクの変化が少なくなっているように感じた。スムーズに走れるようになっている。

同じV60のガソリンモデルとの比較だが、明確に良いと思った部分は“乗り心地”だ。

リアの動きが特に良くなっていて、長距離走行や高速でのコーナリングが非常に快適である。

ガソリンモデルはリアが軽いため、動きが不安定に感じたが、PHEVはモーターやバッテリーなどを搭載することで重量が適切になったのだろう。

欲を言えば、ステアリングにシャープさがあるといい。そうすれば、車を自在に操る楽しみもますというものだ。

しかし、これはボルボ特有のセッティング。舵角に対してシャープなハンドリングよりも、路面を確実にとらえて安全性を高めるという、雪の多い国ならではのセッティングなのだ。

ドライブモードも試してみた。『AWD』以外のモード、エコ運転の『Pure』、日常の運転の『Hybrid』、そしてスポーティな運転の『Power』だ。

『Pure』はEV走行がメインだけに快適そのもの。高速走行でも全く問題ない。ただし、バッテリーが減るのも早い。

続いて『Hybrid』。必要以上に負荷をかけないとモーターで走行するが、エンジンもパラレルでかかり手助けする。エンジンが始動しても、トルク変動が少なく実用的であることが理解できた。

最後に『Power』。これはスロットルのセッティングを変えてあるだけあって、強烈なトルク。先ほどまでの穏やかさとは一変する。これはボルボをドライブする人のイメージとは少し違う。

加速の際、前後のバランスが不安定になったような感じがしたので、個人的にはあまりオススメしないモードだ。

このように、モードセレクトで様々な顔を見せる新型V60だが、いずれにせよ“大人のワゴン”に変身したことに間違いはない。

文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】

●T6 Twin Engine インスクリプション

型式 - 最小回転半径 5.7m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.76m×1.85m×1.44m
ドア数 5 ホイールベース 2.87m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.6m/1.6m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 -kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

アイスホワイト、ブラック

オプション色

クリスタルホワイトパール、ブライトシルバーメタリック、デニムブルーメタリック、オスミウムグレーメタリック、サヴィルグレーメタリック、バーチライトメタリック、ペブルグレーメタリック、パイングレーメタリック、オニキスブラックメタリック、メープルブラウンメタリック、フュージョンレッドメタリック

掲載コメント

-

エンジン型式 B420 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ&スーパーチャージャー 燃料タンク容量 60リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1968cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 253ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
350(35.7)/5000
型式 -
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 アイスホワイト、ブラック
オプション色 クリスタルホワイトパール、ブライトシルバーメタリック、デニムブルーメタリック、オスミウムグレーメタリック、サヴィルグレーメタリック、バーチライトメタリック、ペブルグレーメタリック、パイングレーメタリック、オニキスブラックメタリック、メープルブラウンメタリック、フュージョンレッドメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.7m
全長×全幅×
全高
4.76m×1.85m×1.44m
ホイール
ベース
2.87m
前トレッド/
後トレッド
1.6m/1.6m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 -kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 B420
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ&スーパーチャージャー
可変気筒装置 -
総排気量 1968cc
最高出力 253ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
350(35.7)/5000
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 60リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。