※この記事はカーセンサー関東版2001年12号(3月22日)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

流麗でカジュアルな「4ドアクーペ」は剛性感も高く、超安定志向の操縦性

  • ボルボ S60 走り|ニューモデル試乗
  • ボルボ S60 インパネ|ニューモデル試乗
↑ボルボのラインナップの中でミドルクラスのスポーツセダン。プラットフォームはS80やV70と共通で、高い基本性能を確保している(左) 車室を前方に配置する、キャブ・フォワード・デザインにより広い室内を確保(右)
安全神話が先行して、お堅いイメージのボルボだが、そうとばかりは言ってられない。若いユーザーにも乗ってもらわないと…。というワケかどうかは知らないが、S60は安全性はさらに高く、ボルボのセダンとしては過去にないくらいカジュアルなスタイルになった。「4ドアクーペ」といってもいい流麗なスタイルにインパクトがある。

しかし、驚きはワゴンのV70とBピラーまでは同一ということ。細部に違いはあっても基本は同じというから、デザインてわからないもんだ。

室内のゆとりと、操安性の高さ、カジュアルなスタイリングがウリ

  • ボルボ S60 エンジン|ニューモデル試乗
  • ボルボ S60 リアスタイル|ニューモデル試乗
↑T-5用ハイプレッシャーターボエンジン。S60には3種類のエンジンが搭載される(左) スポーティな外観はCD値(空気抵抗値)0.28とクラストップレベルを達成する(右)
走りや乗り味はV70よりも滑らかだ。積載荷重を考慮してワゴンはサスが硬いため、その違いもある。S60は路面からの振動がシャットアウトされて、ステアリングに伝わる振動の少なさが段違い。その理由の一つはボディ剛性だ。V70に対して約40%、旧型のS70 にいたっては200%!! つまり2 倍も高い、というボディ構造の進歩が関係する。

操縦性はリアの接地性が極めて高い超安定志向だ。限界時もリアはガンとして踏ん張り、フロントがアンダー方向に逃げる。旋回速度の高さとフラットな姿勢は最強のT-5が優れている。だがバランスの良さでは2.4Tだ。エンジンもライトプレッシャーターボの2.4Tと、ハイプレッシャーターボのT-5が用意されるが、実用域がスムーズで扱いやすいのは2.4Tのほうである。もちろん速さを求めるとT-5になるのだが、日本では生かしきれない面が多い。

1.8mを超える全幅による室内のゆとりと、操作性の高さ、カジュアルなスタイリングがS60のウリだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 2.4T
駆動方式 FF
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4575×1815×1430
ホイールベース(mm) 2715
車両重量(kg) 1540
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直5DOHCライトプレッシャーターボ
総排気量(cc) 2434
最高出力[ps/rpm] 200ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 29.1kg-m/1800~5000rpm
10・15モード燃費(km/L) 9.1
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/70
車両本体価格 465.0万円

桂 伸一の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 3点 加速性能 5点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 5点 乗り心地 5点 環境対策 4点
前席居住性 5 ラゲージルーム 5点 操縦安定性 5点 燃費 4点
後席居住性 5点 パワー感 5点 高速安定性 5点 ステータス 4点
内装の質感 4点 トルク感 4点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 87/100
(Tester/桂 伸一 Photo/芳賀 元昌)