ジャガー Fタイプクーぺ【海外試乗】(島下泰久)
カテゴリー: ジャガーの試乗レポート
タグ: クーペ
2014/06/02
スタイリッシュで、操る醍醐味にあふれ、しかも十分な実用性まで備えたFタイプクーペは、ぜひ週末だけでなくウィークデーにも乗ってほしいスポーツカー。テッパンのケイマンに対してFタイプクーペというハズシの選択は今、相当カッコ良く見えるはずだ。
スポーツカーのジャガー復権を高らかに宣言する1台
まずはエクステリアデザインに魅了される
ジャガーをラグジュアリーサルーンのブランドと思っている人は、そろそろ認識をあらためるべきだ。新登場のFタイプクーペは、まさにジャガーのスポーツカー復活を宣言する垂ぜんの1台である。
走るより前に、まず魅了するのがエクステリアデザインだ。先に登場したロードスター同様、往年のEタイプのモチーフを取り入れつつマッシブに描き出されたフォルムは文句なしに魅力的。しかもようやく容量407Lという使い物になる荷室が確保されたのがまた嬉しい。
そして走りっぷりだ。ジャガー史上最高の捻り剛性を実現したオールアルミボディと、しなやかなサスペンションの組み合わせは、思ったとおりに向きが変わり、遅れなくリアが追従する一体感バツグンのフットワークを楽しませてくれる。動きはソリッドだけどサスペンションはよく動くのがジャガーらしく、おかげでコントロールの幅が広いのもイイ。
夢中にさせてくれる走りの世界がある
最高出力550psを誇る5L V8スーパーチャージドエンジンを積むFタイプRは、迫力の加速が魅力。一方、最高出力380psの3L V6スーパーチャージドを積むFタイプSは、もっと積極的に踏んでいける楽しさがある。甲乙付け難いが、自分で買うならおそらく後者だろう。
ジャガーの国際試乗会はいつも長距離のルートが設定されていて、今回も2日の間で一般道とサーキット合わせて600km近くも走りに走った。けれど試乗後、まだまだ乗り足りない、もっと攻めたいと思ってしまったのは、つまり夢中にさせる走りの世界がそこにはあるということ。
スポーツカー好きならジャガーの存在、あらためて意識しておくべきである。
SPECIFICATIONS
グレード | R Coupe | ||
駆動方式 | FR | ||
トランスミッション | 8AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4470×1925×1319 | ||
ホイールベース(mm) | 2620 | ||
車両重量(kg) | 1650 | ||
乗車定員(人) | 2 | ||
エンジン種類 | V8DOHCスーパーチャージド | ||
総排気量(cc) | 4999 | ||
最高出力[ps/rpm] | 550/6500 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 680/2500-5500 | ||
車両本体価格(万円) | 1286 |