フィアット パンダ 4×4(フォーバイフォー)はマッチョかわいい車です
2015/03/16
背が高くなれば“欲しくなる”の法則
パンダのナカミはチンクである。ということは、シャシーその他、基本性能のポテンシャルはけっこう高い。最新のライド感覚はないにしても、粘り強さというか、人間でいうと下半身の鍛えがあるというか、とにかくよく走るはず。
ところが、そう期待してパンダに乗ってみると、これが面白いもんで、さほど“いい心地”になってくれない。チンクほど煮詰められた感じがなく、どこかバランスが崩れていて、走りに精彩を欠く。要するに、イタリア車好きなのに、あまり好みの車じゃなかった。
だから、その派生モデルにもあまり期待をしていなかったのだけれど……。4×4に乗ってみて、驚いた。ちゃんとまとめあげられているのだ。乗り心地も悪くないし、車全体がしなやかに動くし、加えて車高を65mmも上げたことによる見切りの良さが、コンパクトなボディサイズをいっそう扱いやすく感じさせた。
それに、このスタイリング! 他にはない雰囲気でマッチョかわいい。
だいたい最近のコンパクトカーは、ノーマル仕様よりも背高バージョンの方が、総合的にみていい車であることが多い。十分ストロークするアシ回りと、視界の良さが相乗効果を生む。そのうえ、コンパクトカーとしての機能をほとんど損なうことなく、クロスオーバーSUVっぽいタフな格好よさが見栄えにも加わるわけだから、選ばないという手はない。
パンダも同じだ。SUVっぽさが嫌いというなら仕方ないけれども、小さなイタリア車でチンク以外を欲しいと思ったなら、まずはパンダ4×4を、ボクなら検討する。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:PANDA 4×4 ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直2SOHCターボ ■総排気量:875cc
■最高出力:85/5500[ps/rpm]
■最大トルク:145/1900[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:6MT
■全長×全幅×全高:3685×1670×1615(mm) ■ホイールベース:2300mm
■車両重量:1130kg
■車両本体価格:251.64万円(税込)
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- SUVじゃなくていいじゃない! この夏、「キャンピングGT」に乗ろう!【カーセンサー8月号】
- 【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品