シトロエン サクソ VTS 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: シトロエンの試乗レポート
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2008/08/20
※この記事はカーセンサー関東版17号2000年5月4日・5月11日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
感動的な走りを生むエンジンと足回りを魅力的なプライスで
↑106 S16に対し足回りは若干マイルドだが、走りの楽しさは掛け値なしに最高(左)プジョー106と同じコンポーネントを使いつつ独自のスタイルを実現している(右)
サクソとプジョー106は多くのメカニカルコンポーネントを共用する兄弟車だ。しかし、サクソがシャンソンと呼ばれていたデビュー当初、両車は巧みにバッティングを避けていた。日本で販売されている106は3ドアボディに1.6L DOHC+5速MTを組み合わせたスポーツバーションのS16のみ。一方のシャンソンは、5ドアやAT、SOHCエンジンを用意するなどして、よりフレンドリーな路線を歩んでいたのだ。ところが1999年、シトロエンはシャンソンのネーミングを本国名のサクソへと変更。同時にATや5ドアを廃止して、106 S16と同じエンジン/ミッションを積むVTSというスポーツバージョンを投入してきたのである。
価格の引き下げでブランドイメージの違いを吹き飛ばす
↑インテリアパーツの中でもっとも大物であるインパネもサクソ専用のデザイン(左)4気筒ながらも他社のV6モデルに匹敵するスムーズさと静粛性を誇る(右)
と言うわけで、VTSの中身は限りなく106 S16に近い。つまり、走りの楽しさは掛け値なしに最高である。しかし、内容が近くなればなるほど、ブランドイメージで優るプジョーが有利になるのは明らかだ。商品そのものの魅力は向上したのかもしれないが、106 S16ではなくサクソを選ぶ理由は逆に希薄になってしまっていた。2000年モデルのサクソVTSは、そんな劣性を一気に挽回する可能性を秘めた大きな話題とともに登場した。価格を229万円から一気に198万円に引き下げてきたのだ。これで106 S16との価格差は6万円から37万円に一気に拡大した。この価格差には、ブランドイメージの違いなど吹き飛ばしてしまうほどのインパクトがある。なお、すでに229万円を出して買ってしまっていたユーザーには差額が返還された。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | VTS |
駆動方式 | 2WD(FF) |
トランスミッション | 5MT |
全長×全幅×全高(mm) | 3735×1620×1360 |
ホイールベース(mm) | 2385 |
車両重量(kg) | 960 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 1587 |
最高出力[ps/rpm] | 120ps/6600rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 14.7kg-m/5200rpm |
10・15モード燃費(km/L) | ー |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/45 |
車両本体価格 | 198.0万円 |
岡崎五郎の責任採点
コンセプト | 2点 | 取り回し | 4点 | 加速性能 | 4点 | ブレーキ性能 | 4点 |
フィニッシュ | 3点 | 操作系の使い勝手 | 3点 | 乗り心地 | 4点 | 環境対策 | 3点 |
前席居住性 | 4点 | ラゲージルーム | 2点 | 操縦安定性 | 5点 | 燃費 | 3点 |
後席居住性 | 3点 | パワー感 | 5点 | 高速安定性 | 4点 | ステータス | 2点 |
内装の質感 | 2点 | トルク感 | 4点 | しっかり感 | 4点 | コストパフォーマンス | 5点 |
得点合計 | 70/100 |
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