素材はとことん和っぽい

  • シトロエン C4エアクロス 走り|ニューモデル試乗
  • シトロエン C4エアクロス リアスタイル|ニューモデル試乗
3月に行われたジュネーブショーで披露されたコンパクトSUV。サイドラインやリアのデザインはコンセプトモデルHypnosから受け継いだ
三菱 RVR、プジョー 4008と、三菱の岡崎工場で組み立てられる兄弟車がC4エアクロス。目に見える3モデル共有のパーツはドアとルーフ、フロントスクリーンのみで、Cピラー、リアハッチ、フェンダー、フロント回りなどは別デザインだそう。開発のごく初期から、仕様の差異化と生産管理に腐心した様子がうかがえる。

搭載エンジンは4種類で、ディーゼルが1.8L・150psと新開発のHDi1.6L・116ps。ガソリンは2L・150psと1.6L・117ps仕様。欧州でメインとなる1.6Lディーゼル以外、すべて三菱起源だ。

動的クオリティでの差別化としては、RVRにはない18インチホイールを採用、前後トレッドも約2㎝拡大された。サスもフロントを少し柔らかく、リアをやや締め上げ、アンチスウェイバーの径も太くした。またフィール向上のため、ステアリング・レシオやアシスト量の制御も異なる。

ディーゼル+6MTのフレンチ味に唸る

  •  シトロエン C4エアクロス インパネ|ニューモデル試乗
  • シトロエン C4エアクロス ラゲージ|ニューモデル試乗
デイリーユースを念頭に置いたインテリアデザイン。タッチスクリーンを採用したナビやUSBポートなどを備える。ラゲージ容量は442Lを確保
「HDi150」の呼称とは裏腹にディーゼル1.8Lは、三菱の4N13ユニット。ジャポネとしてことほど左様に…と、思わなかったワケではない。

しかし走り出せば、まず力強い低速トルクとソリッド&スムーズなアイシン製6速MTが絶品。加えてRVRのデフォルト値からレシオやアシスト量を変更したステアリングは、トレースの質自体が濃密で、高速道路から狭い山道まで、自在感と安定感をもたらしてくれる。いわば走りながら満たされる類の、あのシトロエンらしいロードホールディングは健在なのだ。同じく150psの2Lガソリン+CVTも試せたが、上りの再加速でCVTがわななく感触は、今回のルートでは難しかった。実際、フランスに2Lガソリンは導入されず、ロシアや東欧で展開される。

日本での展開は再来年以降、検討中という。正直、RVRよりスタイリッシュなので期待したい。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード HDi150
全長×全幅×全高(mm) 4341×1799×1625
車両重量(kg) 1495
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1798
最高出力[ps/rpm] 150/4000
最大トルク[Nm/rpm] 300/2000-3000
Tester/南陽一浩  Photo/ロラン ヴィラロン、シトロエン コミュニケーション、南陽一浩