プジョー 307【プレイバック試乗】
カテゴリー: プジョーの試乗レポート
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2010/02/24
コンセプト
プジョーが新世代に進んだことを示す一台
プジョー・シトロエングループの新世代プラットフォームを採用する第1弾がこの307。まずは3&5ドアから登場した。エンジンは日本に導入される3グレードともに同じ4気筒2L16バルブを搭載。加えて5ドアの全グレードで、5MTとティプトロニック機能付き4ATが選べる。大型化されたボディには、アルミボンネットや樹脂フェンダーなど、軽量化の跡が細部にわたってうかがえた。
つまり、306の後継車だからと名称はそのまま307だが、堂々たるそのボディサイズをはじめスタイル、質感、操縦性、乗り味などは、従来のプジョーとはかなり異なっている。さらに多彩な電子制御技術を相互通信させることによって快適性と安全性を格段に高めており、プジョーが新たな世代に進んだことを示す一台といえよう。
室内&荷室空間
前席&後席の広さは1クラス上のセダン並み
ライバルのVWゴルフやオペルアストラ、フォードフォーカスと同様の一回り大きなボディにより、特に優れているのが室内空間の広さとそれによる快適性だ。足置きスペース付きの後席は1クラス上のセダン並みに広く、ファミリィカーとしての居住性は文句なし。前席でもフロントウインドウまでの距離や頭部と天井の空間の広がりに、サイズアップ効果を感じる。前席シートは、左右の張り出しが強く横方向のサポートに優れるスポーツタイプ。上下50mmの調整幅をもち、調整幅40mmのステアリングのチルト&テレスコ機能と合わせれば、そのドラポジは自在。
荷室にはそこそこの奥行きがあり、日常雑貨や旅行カバン類は問題なく飲み込む。そのほか、収納スペースも随所に設けられた。
ドライブフィール
瞬発力には乏しいが静粛性に優れるエンジン
4気筒とは思えないほど、室内外での静粛性に優れるエンジンは、パワフルというよりトルクフル。ファイナルギアが欧州仕様のままのため、5MTでリミットまで引っ張り上げても、いわゆる後伸びで瞬発力に乏しい点は残念。しかし、多数のユーザーが選ぶであろう4ATでは、そう気にならないだろう。操縦性に関しては、従来のプジョーがもっていたキビキビ感とフラット感は少なくなった。しかし、ある程度ロールしながらもコーナーイン側のタイヤも確実に路面をとらえる“ネコ脚”は、これまでと同様だ。タイヤは量販車となるだろうXSの16インチがベスト。操舵感も軽快で、直進状態にも正確に戻る。
プジョーらしさは確かに薄いが、誰が乗っても“いい車と”感じられるのが特徴だろう。
こんな人にオススメ
従来のプジョーオーナーは、電子制御によるオタスケ装備の充実ぶりに驚くこと間違いなし。ドイツ車や国産車をも上回る。ゆえにドイツ車や国産車からの乗替えでも、違和感なく馴染めるハズ。プジョーらしい乗り味は、メイングレードのXSにも十分受け継がれている。SPECIFICATIONS
グレード | 307XT |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4210 x 1760 x 1530 |
ホイールベース(mm) | 2610 |
車両重量(kg) | 1300 |
乗車定員 | 5人 |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC |
総排気量(cc) | 1997 |
最高出力 | 100kW(137ps)/6000rpm |
最大トルク | 190N・m(19.4kg-m)/4100rpm |
車両本体価格 | 249万円 |
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