【試乗】新型アウディ S3 / A3│モーターアシストのパワフルさは伊達じゃない、正当進化を遂げたプレミアムコンパクトカー
カテゴリー: アウディの試乗レポート
タグ: アウディ / スポーツセダン / ハッチバック / FF / 4WD / A3 / S3 / S3スポーツバック / A3セダン / A3スポーツバック / S3セダン / EDGEが効いている / c!
2021/09/04
▲最新のデザイン意匠を身にまとった、アウディのコンパクトモデルがA3シリーズ。1Lモデルの30 TFSIには、日本で販売されるCセグメント車で初のマイルドハイブリッドが搭載され、全グレードでよりパワフルな走りを実現。そして、エントリーグレードである30 TFSIモデルは本体価格310万円からと、お買い得感も満載となっているVWグループの総力をつぎ込んだ渾身の1台
アウディのCセグメントハッチバック&セダンモデル、A3シリーズが8年ぶりに4世代目へとフルモデルチェンジした。プラットフォームはVWグループの横置きエンジン用「MQB」を踏襲。キャビン骨格などボディの30%に熱間成型スチールを採用することで、高剛性と軽量化を実現。そして、Cセグメント初の48Vマイルドハイブリッド(MHEV)、最新のインフォテインメントシステムなどの採用が新型のハイライトだ。
ボディサイズは、全長4345mm/全幅1815mmとそれぞれ従来モデル比で+20mm/+30mmとなっている。エクステリアデザインは、その拡大分をしっかりと生かしたもので、実車をひと目みてハッチバックだけでなくセダンも素直にカッコ良くなったなと感じた。
アウディの最新のデザイン言語にのっとったフロントマスクは、ワイドになったシングルフレームグリルとかぎ型のようなシャープなLEDヘッドライトが特徴的。そして、サイドパネルはしっかりとしたクビレがあって、ヘッドライトからリアライトへとつながるショルダーラインによってブリスターフェンダーが構成されている。
▲スポーツバック(ハッチバック)のA3には、専用カラーのアトールブルー メタリック(写真)とパイソンイエロー メタリックが用意される。写真は500台限定の1st Editionで、シートヒーターなどの快適装備やバーチャルコックピットなど、主要オプションのほとんどが装備されていた
▲新型A3とS3には、上位モデルと同じくコンビネーションライトを採用。スポーツバックにはルーフレールが専用装備される(写真はA3)
▲セダン(写真はS3)には、スポイラー形状のトランクリッドを採用。また、ミラーやエアダクトの形状を最適化することで、cd値(空気抵抗)を0.25(スポーツバックは0.28)まで減少させ燃費を向上させている
▲新形状のヘッドライトは、グレードやモデルに応じて下端の台形部分の発光が異なっている(写真はS3)
▲A3のSラインとS3には、写真の18インチアルミホイールが標準で装備される。S3では、オプションでさらに大径の19インチホイールを選択することも可能だインテリアは、センターコンソールを運転席側に向けたドライバーオリエンテッドなデザイン。メーターパネルは、アウディではお馴染みの10.25インチサイズ液晶のアウディバーチャルコックピットを採用。ダッシュボード中央には、タッチ操作式の10.1インチサイズのタッチスクリーン式「MIB3」MMIナビゲーションシステムがビルトインされている。そして、これまでのような大きなシフトレバーは姿を消し、コンパクトなシフトスイッチが採用された。空いた前方のスペースは、スマートフォンの無線充電機能として使われている。VWグループではポルシェ 911などもこうしたシフトスイッチを採用しており、今後の主流になっていくのだろう。
ハッチバックの居住空間は、ホイールベースが先代モデルと同寸なので数値的に劇的な変化があるわけではないが、フロントのヘッドルームは+7mm、エルボールームは+6mm、後席ではショルダールームが+2mm、エルボールームが+3mmとわずかながらも全体的に拡大している。ラゲージルームの積載容量は先代と同じで、通常時380Lで、後席をフラットにすれば最大1200Lとなる。
そして、ハイライトがCセグメント初の48Vマイルドハイブリッドだ。正確にはVW ゴルフ8にも同じパワートレインが搭載されるが、導入時期の関係で国内では一番乗りとなった。従来の1.4L直列4気筒ターボエンジンに代わるもので、A1やQ2のエントリーモデルが搭載している1L直列3気筒ガソリンターボエンジンに、ベルト駆動式オルタネータースターター(BAS)と48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたものだ。
このTFSIエンジン「30 TFSI」は、最高出力110ps、最大トルク200N・mを発揮。トランスミッションは7速Sトロニックを組み合わせる。誰もが思うであろう、このセグメントの車が1Lエンジンで本当に大丈夫なのかという不安は、走り出すとすぐに払拭された。
大人3人が乗り込んで箱根のワインディング路を走ってみたが、言われなければこれが1Lだとはとても思えない。BASのアシストもあって発進時ももたつくことなくすっとトルクが立ち上がり、スムーズに加速していく。2000回転を過ぎれば200N・mを発揮するので、少々の上り坂でもまったく問題ない。また、カタログ燃費は17.9km/L(WLTCモード)だが、高速をメインに走ればメーター表示は20km/Lを優に超えていた。
30 TFSIのサスペンション形式は、フロントがマクファーソンストラット式、リアがトーションビーム式となる。ただ、リアがばたついて乗り心地が気になる場面はなかった。ちなみに、遅れてやってくる上級グレードの「40 TFSI」はフロントこそ同じだが、リアがマルチリンク(4リンク)式にアップグレードされている。
▲センターコンソールやエアコン送風口のデザインを一新。インフォテイメントシステムの位置も、上位モデルと同じ位置に変更されている。もちろん、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応している(写真はA3)
▲S3とA3のステアリングデザインは基本的に同じ。ただ、S3には赤のステッチとSバッジが装着されている
▲バーチャルコックピットプラスはS3が標準装備、A3ではオプションとなる。S3は12.3インチと少し大きめで、スポーティーな表示デザインとなる(写真はS3)
▲S3には、パーシャルレザーを使用したスポーツシートを採用。また、30色から選べるアンビエントライトやアルミ製パドルシフトなどが装備される(写真はS3)
▲A3とS3は、40:20:40の3分割リアシートを装備。A3では、Sラインプラスパッケージを選択することで、パーシャルレザーシートを選択することが可能(写真はA3)続いて、SモデルのS3に試乗した。基本骨格はA3と同じとはいうものの、車高を15mmローダウンし、ハニカムパターンのシングルフレームグリルや大型のエアインテークを備えたフロントバンパー、専用デザインのリヤディフューザー、左右4本出しのテールパイプなどにより、よりワイド&ローな印象をうける。ボンネットの先端には、往年のAudi quattroをほうふつとさせるスリットのようなデザインを備えた。
インテリアでは、メータパネルがベースモデルよりも拡大された12.3インチのバーチャルコックピットプラスが標準装備となる。また、Sモデル用のステアリングやスポーツシートなどが、よりスポーティさを引き立てている。
エンジンは最高出力 310ps、最大トルク 400N・mを発揮する2L4気筒ターボエンジンで、トランスミッションは7速Sトロニックを組み合わせる。駆動方式は、電子制御式油圧多板クラッチを用いた クアトロ(フルタイム4WD)だ。
先代モデルのエンジンをベースにターボチャージャーの過給圧を高め、350barと高圧の燃料噴射を備えたことで出力と燃費の両方を向上しており、動き出しからスムーズに加速していく。アクセルペダルに力を込めれば、最高出力を発揮する5450~6500rpmの回転域まで一気に吹け上がる。
試乗車にはオプションの電子制御式ダンピングコントロールサスペンションが備わっていた。これによって、走行モードを切り替える「アウディドライブセレクト」と連動して、「オート」「コンフォート」「ダイナミック」と減衰力の切り替えが可能となる。コンフォートなら街中でも快適で、ダイナミックなら一気にシャープな動きへと変わる。この振り幅の広さはやはり魅力的で、11万円のオプションながらぜひ付けたい。
A3もS3もまさに全方位の進化を果たしている。アウディはいまBEV(電気自動車)に大きくシフトしようとしているけれど、今の日本のインフラなど現状を鑑みれば、やはり内燃エンジンモデルに分がある。1LエンジンがMHEVのアシストだけでこれほど走り、今後もしS3の2LにもMHEVを加えれば、さらなる進化が見込めるだろう。内燃エンジンのこれからにも大いに期待したい。
▲1LのA3 30 TFSIのエンジン
▲S3の2Lエンジンは、最大トルク400N・mを2000~5450prmの広い回転数で発生させる、トルクフルなエンジンだ
▲スポーツバックとセダンともにトランクスルーを装備(写真はA3スポーツバック)。セダンのラゲージ容量は425Lとなっている中古車なら2代目のA3スポーツバックが狙い目!

先代となるA3のスポーツバック(2代目)に注目。先代は2013年に登場。この世代からセダンがラインナップに加わり、MQBプラットフォームを採用しきてきたモデルとなる。このプラットフォームは新型にも継承されている。
注目の理由としては、流通量と順調な相場下落。カーセンサーEDGE.netには現在500台ほど流通しており、オプションを含めたグレードの選択肢も多い。加えて、ボディカラーやオプションにこだわらなければ、すでに予算100万円で狙える物件が散見されるようになってきている。
2017年以降の、デザイン意匠を刷新し自動ブレーキなどが標準装備された後期型でも280台前後流通している。後期型は、総額200万円前後で1.4Lグレードの物件が数十台流通し始めている、というような状況。ただ、新車時価格が300万円以上したモデルであることを考えると、十分に今からチェックしておく価値はあるだろう。
▼検索条件
2代目アウディ A3スポーツバック × 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●1st エディション(A3 スポーツバック 30 TFSI)
| 型式 | 3AA-GYDLA | 最小回転半径 | 5.1m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.35m×1.82m×1.45m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.64m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.55m/1.53m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1320kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.14m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
- |
||
| オプション色 |
アトールブルーメタリック、グレイシアホワイトメタリック、ミトスブラックメタリック、タンゴレッドメタリック、バイソンイエローメタリック、マンハッタングレーメタリック |
||
| 掲載コメント |
※350台限定 |
||
| 型式 | 3AA-GYDLA |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | - |
| オプション色 | アトールブルーメタリック、グレイシアホワイトメタリック、ミトスブラックメタリック、タンゴレッドメタリック、バイソンイエローメタリック、マンハッタングレーメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.1m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.35m×1.82m×1.45m |
| ホイール ベース |
2.64m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.55m/1.53m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1320kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント | ※350台限定 ※諸元・装備情報は一部ベースとなるグレードの情報を掲載しております |
| エンジン型式 | DLA | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 47リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 999cc | 燃費(WLTCモード) |
17.9km/L
└市街地:14.9km/L └郊外:17.6km/L └高速:20km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 110ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
200(20.4)/3000 |
| エンジン型式 | DLA |
|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 999cc |
| 最高出力 | 110ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
200(20.4)/3000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 47リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 17.9km/L
└市街地:14.9km/L └郊外: 17.6km/L └高速: 20km/L |
| 燃費基準達成 | - |
【試乗車 諸元・スペック表】
●2.0 4WD(S3 セダン)
| 型式 | 3BA-GYDNFF | 最小回転半径 | 5.1m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.51m×1.82m×1.42m |
| ドア数 | 4 | ホイールベース | 2.63m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.55m/1.53m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1560kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
- |
||
| オプション色 |
- |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3BA-GYDNFF |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 4 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | - |
| オプション色 | - |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.1m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.51m×1.82m×1.42m |
| ホイール ベース |
2.63m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.55m/1.53m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1560kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DNF | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 56リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1984cc | 燃費(WLTCモード) |
11.6km/L
└市街地:8.2km/L └郊外:12km/L └高速:13.8km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 310ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/5450 |
| エンジン型式 | DNF |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1984cc |
| 最高出力 | 310ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/5450 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 56リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 11.6km/L
└市街地:8.2km/L └郊外: 12km/L └高速: 13.8km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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