【試乗】新型アウディ RS Q8|パフォーマンスと優雅さの同居した“スーパーSUVムーバー”
カテゴリー: アウディの試乗レポート
2021/08/24
ハイパフォーマンスモデルの誕生は自然の摂理
昨年、師走に差し掛かろうとする11月末に発表されたアウディ RS Q8。同社の大型SUVの中で最もエキサイティングなモデルとして今年より販売している。
RS Q8のベースとなるQ8は、“8”という数字が示しているとおり、アウディ A8にも通じるフラッグシップSUVである。
アウディはこのQ8から、大型な八角形グリル、インフォテイメントシステムとバーチャルコックピットなど、新たなデザインや機能を多数導入。肝いりのモデルである。
Q8のスタイリングはというと、低く構えたスポーティないでたち。俯瞰で見ると分かりやすい張り出した前後のブリスターフェンダーは、基本のボディと調和が取れていて、SUVというカテゴリーでもアウディらしいエレガントな一面が見いだせる。
そもそも、Q8の本来のオマージュはラリー界で世界を席巻した初代クーペクワトロだというのだ。ということは、今回試乗することになったRS Q8というエキサイティングなスポーツモデルの誕生も、自然の摂理だと言える。
マイルドハイブリッドの恩恵でジェントルな走り出し
RS Q8は、言わずと知れたアウディのスポーツモデル部門であるAudi Sport GmbH主導のもと、スロバキアで生産されている。過去にAudi Sport GmbHが作るモデルをすべて試乗しているが、個人的に絶大な信用を寄せているブランドだ。
特に、サスペンションとハンドリングは通常のモデルとは全く違うスタビリティとハンドリングで、車が体と一体になる雰囲気がある。
では、今から乗り込むRS Q8はどうだろうか。
見た目のディメンションはQ8とほぼ変わらないが、バンパートリムの形状で全長が若干長く、車幅2mある。乗り込むとやはり「大きいな」と感じる。しかし、ルーフも低く、センターコンソールの印象とステアリング、ペダルポジションからすると、スポーツカーに乗り込んだようにも感じる。
マイルドハイブリッド(MHEV)ドライブシステムをもつRS Q8は、ベルト駆動式のオルタネータースターターを使用する。アイドリングストップからの再始動も一瞬だ。
特殊なファイアリングオーダーによって燃焼するV型8気筒ツインターボユニットの排気音は、スーパースポーツカーを感じさせる乾いた音で「その気」にさせる。
600馬力の1%足らずであっても、マイルドハイブリッドの恩恵はある。ともすれば不安になる走り出しの極低速な領域でも、とてもスムーズでジェントルな走り出しだ。
パフォーマンスと優雅さの同居した“スーパーSUVムーバー”
40km/hぐらいで海沿いのタイトでツイスティーな道を走る。思ったよりも車幅の感覚をつかむことができる。ステアリングを握って5分ぐらいであるが、実際よりも小さく感じるといった具合だ。
有料道路では少しアクセルを深く踏んで加速を味わう。巨人につかまれて引き寄せられるような加速だ!
とはいえ、フロントの接地性は抜群である。加速しながらコーナーを切り抜けても、スタビリティは完璧だ。2.4tを超える車重であるが、実にコントローラブルで制動力も抜群。600馬力と80kg・mを超えるトルクだけに、そのあたりに抜かりはないようだ。
勾配のきつい連続する中速ワインディングコーナーも、スタビリティが高いのでもっと右足で踏み込みたくなる衝動に駆られる。車体がロールする制御も自然でいい。
そこから高速道路に入りゆったり走ったのだが、23インチという超大径のホイールでも素晴らしく乗り心地がいい。RSアダプティブエアサスペンションの出来映えの良さに、思わずステアリングを握りながら独りごちていた。沈み込みを連続的に制御しているような、極めてスムーズなサスペンションだ。
ステリングフィールは、これほど大きいにもかかわらずもはや軽快感すら感じさせる。
このRS Q8は、途方もないパフォーマンスであるが、ドライバーと同乗者は優雅に移動できる“スーパーSUVムーバー”なのである。
Audi Sport GmbH恐るべし…… というSUVに試乗してしまったのだった。
【試乗車 諸元・スペック表】
●4.0 4WD
型式 | 3AA-F1DHUA | 最小回転半径 | 5.6m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.01m×2m×1.7m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 3m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.69m/1.7m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | ◯ | 車両重量 | 2410kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.21m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ナバーラブルーメタリック、オルカブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、デイトナグレーパールエフェクト、ディープブラック、フロレットシルバーメタリック、ドラゴンオレンジメタリック、ギャラクシーブルーメタリック、マタドールレッドメタリック |
||
オプション色 |
- |
||
掲載コメント |
- |
エンジン型式 | DHU | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | V型8気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 85リットル |
可変気筒装置 | ◯ | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 3996cc | 燃費(WLTCモード) |
7.1km/L
└市街地:4.6km/L └郊外:7.3km/L └高速:8.9km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 600ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
800(81.6)/4500 |
型式 | 3AA-F1DHUA |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | ◯ |
標準色 | ナバーラブルーメタリック、オルカブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、デイトナグレーパールエフェクト、ディープブラック、フロレットシルバーメタリック、ドラゴンオレンジメタリック、ギャラクシーブルーメタリック、マタドールレッドメタリック |
オプション色 | - |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.6m |
全長×全幅× 全高 |
5.01m×2m×1.7m |
ホイール ベース |
3m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.69m/1.7m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 2410kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.21m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | DHU |
---|---|
種類 | V型8気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | ◯ |
総排気量 | 3996cc |
最高出力 | 600ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
800(81.6)/4500 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 85リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 7.1km/L
└市街地:4.6km/L └郊外: 7.3km/L └高速: 8.9km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。