アウディ A3セダン

ガイシャ、で、少し高い、というくらいで選ぶ人のワガママにはならない車だ。それくらい、日本人の大人にマッチしたセダンだと思う。ワガママではないスマートな選択肢、という評価こそ、この車にはふさわしいじゃないか!

いいセダンを忘れた日本人へ、ドイツから素敵な贈り物

専用パーツで端正なスタイルに

モデルチェンジごとに車が大きくなっていく。特にDセグメント。セダンマーケットが収縮する一方の日本市場において、頃合いサイズのセダンといえばDセグメントのジャーマンプレミアム、と、このところの相場は決まっていたはずなのに、今やその体躯は堂々に過ぎて…。

というわけなので、日本の道路環境に適したサイズとして、もうDセグがベストとは言えなくなった。だからこそ、CセグFFベースのサルーンが嬉しい!

とはいえ、CLAクラスのように格好ばかりつけられても困るわけで、アレはアレとしてファッションリーダー的な存在を認めつつ、一方、コンサバで飽きのこない適正サイズのサルーンにも乗りたいもの、と思っていたら、アウディがA3ベースのセダンで適切な回答をくれたのだ。

ハッチバックにトランクをくっつけただけ、なんていにしえのゴルフ/ジェッタなイメージをもたないでほしい(そうだとしても別に良かった、という人もいるだろうけれど)。ボディパネルは、まるで違う。要するにメカニズム的にA3というだけで、ことエクステリアデザインに関していえば、完全に専用品である。

だからだろう、何とまあ端正なサルーンスタイル! FFベースなのに、アンバランスさがない。さすが、小さいFFベースのセダンを作りなれているメーカーだ。

もう、A4はいらない

確かに面白味には欠ける。が、デイリーユースのパートナーとして、これくらいマジメなほうが安心できるというものじゃないか! デートするならCLAだけれど、結婚するならコッチでしょ?

走りもマジメ一辺倒。クワトロモデルの安定感は、とてもじゃないがCセグだとは思えない。もう、A4はいらない、なんてアウディ関係者を困らせてしまう感想が、最初に浮かんだものだ。

セダン文化を廃らせてしまった日本に、素敵な選択肢が増えたことに、感謝!

スポーツバックと比べて全長130㎜/全高10㎜大きく、30㎜低くなっていてワイド&ローを強調している。価格は17万円高い

スポーツバックと比べて全長130㎜/全高10㎜大きく、30㎜低くなっていてワイド&ローを強調している。価格は17万円高い

アルミハイブリッド構造やアルミニウム製ボンネット、そして高性能スチールなどを用いることで軽量化が図られている

アルミハイブリッド構造やアルミニウム製ボンネット、そして高性能スチールなどを用いることで軽量化が図られている

1.8Lターボは6速Sトロニック、1.4Lターボは7速Sトロニックがそれぞれ組み合わせられた。1.4LのCOD付きのJC08モード燃費は20km/Lとなっている

1.8Lターボは6速Sトロニック、1.4Lターボは7速Sトロニックがそれぞれ組み合わせられた。1.4LのCOD付きのJC08モード燃費は20km/Lとなっている

SPECIFICATIONS

グレード 1.8TFSI quattro
駆動方式 4WD
トランスミッション 6DCT
全長×全幅×全高(mm) 4465×1795×1390
ホイールベース(mm) 2635
車両重量(kg) 1470
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1798
最高出力[ps/rpm] 180/4500-6200
最大トルク[N・m/rpm] 280/1350-4500
車両本体価格(万円) 410
Tester/西川淳 Photo/河野敦樹