走破性と操縦安定性では右に出るものなし、の究極スーパーワゴン

  • アウディ RS4 走り|ニューモデル試乗
  • アウディ RS4 リアスタイル|ニューモデル試乗
コンセプト

911もM3もメじゃない380psの怪力ワゴン

カタチとしては一世代前のS4アバントがベースながら、あらゆる意味で世界一の究極のスーパーワゴンがRS4だ。何が世界一でスーパーかというとこの車、アウディ自慢のクワトロだから。

速さだけなら大排気量のエンジンを積んだモデルがほかにあるが、走破性と操縦安定性じゃ右に出るものなし。本国ドイツではポルシェ911やBMWM3と比較されて、それらを蹴散らす存在なのだ。

エンジンはV6、2.6L DOHC 5バルブバイ(ツイン)ターボで、ベースのS4の265psでも十分に凄いのに、それをさらにチューンして、イッキにパワー380ps&トルク44.9kg-mとなっている。そりゃM3よりも評価が高いワケだ。ただしホンネをいうと、911ならGT3、M3ならさらにパワフルな仕様と比較するべき車だ。

エンジン出力に合わせて、ベースのS4よりもさらに10mmほど低い車高と強化されたサスには、18インチ235のワイドなタイヤが装着され、もちろんそのままでは収まらないからフェンダーは片側で35mmもボリュームを増している。その違いだけでもユーザー心をくすぐるし、実際に凄味がある。
室内&荷室空間

A4/S4と同じだけど世界最速のカーゴルーム

室内はブラックで統一され、まさにスポーツカーの雰囲気。レカロシートは、レザーとファブリックのコンビによるRS4専用タイプだが、個人的にはS4にあるアルカンタラとのコンビか、レザーだけのほうが上質さを感じる。

ワゴンとしての使い勝手の良さはA4/S4アバントと何ら変わらず。RS4を選ぶ人が荷室を云々いうとは思えないが、世界最速のルームなのは間違いない。
  • アウディ RS4 インパネ|ニューモデル試乗
  • アウディ RS4 エンジン|ニューモデル試乗
ドライブフィール

どの回転からでも味わえる宙に浮いた不思議な加速感

RS4の走りは6速MTということもあって、いつでもどの回転からでも踏めばトルクが盛り上がり、背中を押されているのか、前から引っ張られているのか、まるで宙に浮いたような不思議な加速感を味わうことができる。

もちろん絶対速度は高く、もてぎの直線では220km/hまでがアッという間。0→100km/hは4.9秒!強烈に速いと感じた“S4”の記録をさらに0.9秒も上回った。

曲がる、止まるの性能もフルタイム4WDとして理想的。サーキットですらアンダーを出さないハンドリングは公道ではニュートラルに終始する。

ブレーキは本国と同様フロント4ポッドなので、利き味と安定性とコントロールのしやすさが頼もしい。
こんな人にオススメ
もちろんスポーツカー乗りにお勧めする。乗るとわかるが劇的に速いくせに上質な乗り味を持ち併せるところが、現代のスポーツカーならでは。AMG55を頻繁に見かけるご時勢だからお金持ちには関係ないが、やはり高い。数年後にUカー市場に出るにしても限定50台しかないからなぁ。もっともディーラーには数台の在庫がまだあるそうだから、欲しい方にはぜひ探してもらいたい。
SPECIFICATIONS
グレード 2.7
駆動方式 4WD
トランスミッション 6MT
全長×全幅×全高(mm) 4540 x 1800 x 1425
ホイールベース(mm) 2605
車両重量(kg) 1680
乗車定員 5人
エンジン種類 V型6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 2671
最高出力 280kW(380ps)/6100rpm
最大トルク 440N・m(44.9ps)/2500rpm
車両本体価格 --
写真:奥隅圭之 文:桂 伸一