※この記事はカーセンサー関東版2001年12号(3月22日)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

Sの最高峰フラッグシップモデルは誰が乗っても速いが、マイルド志向だ

  • アウディ S8 走り|ニューモデル試乗
  • アウディ S8 インパネ|ニューモデル試乗
↑Sシリーズの最高峰に位置するS8 だが、その性格はほかのS シリーズよりも、ややマイルドになっている(左) メーター類のレイアウトは基本的にはA8と同じ。シートは人工皮革で滑らない(右)
アウディのセダン/ステーションワゴンにはSというシリーズがラインナップされている。Sはスポーツ&ラグジュアリィなシリーズで、全モデルがクワトロ=スポーツ4WDを採用している。国内でも、S3とS8の発売で全モデルにSシリーズがラインナップされた。

もちろん各シリーズの中でSは価格も高い。このS8は1150万円でA8よりも93万円高になっている。

M・ベンツに対するAMG、BMWのアルピナのような存在がアウディのSシリーズと思ってよいだろう。

パワーウェイトレシオは日産スカイラインGT-R・Vスペなどよりも好数値

  • アウディ S8 エンジン|ニューモデル試乗
  • アウディ S8 リアスタイル|ニューモデル試乗
↑V8、4.2LDOHC40バルブエンジンは、4000rpm以上でやや音が大きくなる(左) ベースとなるA8よりも全高は20mm低いが、見た目にはわからない。(右)
S8のエンジンはV8、4.2L。このスペックはA8と排気量は同じだが、出力/トルクは310ps/6200rpmから360ps/7000rpmへ、41.8kg-m/3000rpmから43.9kg-m/3300rpmへとアップしている。重量は30kg増の1850kgなので、パワーウェイトレシオは5.13kg/ps。これは日産スカイラインGT-R・VスペやホンダNSXタイプTよりも好数値だ。実際にDレンジで0→100km/h加速を計測したら、6秒台で軽く走りきってしまった。もちろんクワトロなので、スタートからのホイールスピンもなく一気に加速する。アクセルペダルさえ踏めば、誰にでもこのタイムは出せるのだ。

V8エンジンは4000rpmあたりから音が高まり、室内に侵入してくる。高級なスポーツ4ドアにしては、ややこの音は気になった。ハンドリングは低速から高速まで全域で軽めの操舵力を保持する。好みからすると少し軽すぎ。ボディのロールももう少し抑えてほしかった。

S8はSシリーズの中ではマイルド志向のモデルだといえよう。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード S8
駆動方式 4WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 5035×1880×1415
ホイールベース(mm) 2800
車両重量(kg) 1850
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V8DOHC
総排気量(cc) 4172
最高出力[ps/rpm] 360ps/7000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 43.9kg-m/3300rpm
10・15モード燃費(km/L) -
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/90
車両本体価格 1150.0万円

石川 真禧照の責任採点

コンセプト 3点 取り回し 3点 加速性能 5点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 3点 乗り心地 4点 環境対策 3点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 3点 燃費 3点
後席居住性 4点 パワー感 4点 高速安定性 4点 ステータス 3点
内装の質感 4点 トルク感 4点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 76/100
(Tester/石川 真禧照 Photo/桜井 健雄)