3代目は“おとこ“を意識した3ドアスポーツに

  • フォルクスワーゲン ビートル 走り|ニューモデル試乗
  • フォルクスワーゲン ビートル サイドスタイル|ニューモデル試乗
押し出しの強くなった印象を受けるビートルは、現行ゴルフとプラットフォームを共有する3代目。先代に用いられていた“ニュービートル”の車名はこのモデルより“ビートル”と改められた。写真は200psの2Lターボ搭載モデルだが、日本には1.2LのTSIエンジンが導入予定
3代目になったビートルはパワーユニットのバリエーションが大幅に強化された。エンジンは1.2L、1.4L、2L、2.5Lのガソリン仕様と1.6Lと2Lのディーゼル。ミッションは6速MTと6/7DSGがモデルにより組み合わされている。

ボディは2代目よりも全長152mm、全幅84mm、全高12mm、ホイールベースも22mm大きくなった。その理由は狭かったリアシートやラゲージスペースを解消し、使い勝手を良くすること。3代目はファニーな車ではなく、実用性と走りを重視した車になったのだ。

リアサスもトーションビームのほかに4リンク式を新たに上級グレード用に設定した。室内は3色のアンビエントライトやアメリカ・フェンダー社製のオーディオも選べるようになった。すべてにグレードアップした3代目なのだ。
  • フォルクスワーゲン ビートル インパネ|ニューモデル試乗
  • フォルクスワーゲン ビートル ラゲージ|ニューモデル試乗
ピアノブラック調のパネルが奢られたインパネ回り。内装デザインは初代ビートルをモチーフに設計されたという。ステアリングホイールのデザインはニュービートル専用のものとなる。荷室容量は4名乗車時で310L、先代比で101L拡大された。最大で905Lまで拡大可能

ライバルはゴルフではなく、シロッコ?

3代目のスタイルはフロントこそ確かにビートルのイメージだが、張り出した前後のフェンダーや前傾姿勢にも見えるサイドビュー、ナツメ形のテールランプなど、2代目の面影はない。数少ないビートルらしさは、室内に入るとダッシュボード中央にある一輪挿しと、助手席前の垂直なグローブボックスのフタぐらい。すべてが新しく、実用性を重視している作りだ。

ベルリンで行われた試乗会で用意されていたのは、最強モデル「2.0 TSIスポーツ」。200馬力、6速DSGを搭載する。今回からビートルはベーシックなビートル、中間のデザイン、上級のスポーツの3グレードが設定された。最強モデルはリアサスが4リンク式。乗り心地は硬めでコーナーでの動きも2代目と比較すると、ロール、リアの安定感は確かにレベルアップしている。

スタイリング、性格などすべてが、スペシャリティカーに近い。3代目ビートルはシロッコと比較してもおかしくない車になったのだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード スポーツ
全長×全幅×全高(mm) 4278×1808×1486
車両重量(kg) 1430
エンジン種類 直列4気筒 DOHCターボ
総排気量(cc) 2000
最高出力[ps/rpm] 200/5100
最大トルク[Nm/rpm] 28.5/1700-5000
Tester/石川真禧照 Photo/Vokswagen Groupe Japan KK