先代のユーザーが嫉妬するほどのクオリティアップ

  • フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント 走り|ニューモデル試乗
  • フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント インパネ|ニューモデル試乗
↑信頼性をそのままに高い次元での走りを実現(左)インパネ回りのデザインはゴルフⅥと同様、質感高い仕上がりに。全グレードにレザー3本スポークステアリングホイールを標準装備する(右)
ボディ後半部の造形で違っているのはテールランプくらい。「顔が変わっただけじゃないの?」なんて思われてしまいそうな新型ゴルフヴァリアントだが、忘れてはならないのは「要はビッグマイナーチェンジでしょ?」なんて揶揄されていた新型ゴルフが実際には凄まじい進化を果たしていたことだ。そしてここでも、やはり同じことが繰り返されていたのだった。

進化の方向性はゴルフのそれと同じ。まずはクオリティの向上だ。たとえばインテリア。ダッシュボードは見た目、手触り、操作感とも格段に質が高まっている。全グレードに標準装備とされたレザーステアリングの革のしっとり感なんて、先代ユーザーはきっと嫉妬するに違いないだろう。

走りのクオリティアップも目覚ましい。まず乗り心地が俄然良くなった。サスペンションがしなやかに動くようになって、乗り味はしっとりとしたものに。先代で感じられたパサパサとドライな雰囲気は完全に解消されている。

3種類が用意されるパワートレインは基本的には変わっておらず、つまり動力性能も同等。ただしカタログ燃費は大幅に向上している。また、静粛性の向上もポイントと言えるだろう。エンジン音はもちろんロードノイズも大幅に抑えられている。これらの進化、改良によって、その走りはまるでクラスが一つ上がったかのような上質感、上級感を獲得しているのだ。

格段に高まったインテリア・操作感・走りの質

  • フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント ラゲージ|ニューモデル試乗
  • フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント ホイール|ニューモデル試乗
↑後席は6:4分割可倒式。フルフラット状態で1495Lの大容量を確保する(左)2LTSIスポーツラインのみ17インチ、そのほかの1.4Lモデルは16インチを装着する(右)
前述のとおりラインナップは3種類、122psのTSIトレンドライン、160psのTSI コンフォートライン、そして200ps の2.0TSI スポーツラインが用意される。トランスミッションは前の2つが7速、最後が6速のDSGである。

一番のお勧めは、装備と快適性のバランスに秀でたTSI コンフォートラインだ。価格は322万円。バイキセノンヘッドライトも標準装備となるから、あとはナビを付ければほぼ何もいらないだろう。TSIトレンドラインはゴルフTSI コンフォートラインより3万円安い価格が魅力。装備も必要なものは揃うから、日本車からの乗り替えもリアルに考えられる。一方2.0TSI スポーツラインは乗り味がやや荒っぽいのが残念だが、レザーシートを標準装備とするなど内容は充実。輸入ワゴンを考えていた人なら惹かれるに違いない。

これらグレードの選択は予算と好みの問題。どれを選んでも、きっとバリューを感じられるということは保証しよう。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード TSI コンフォートライン
全長×全幅×全高(mm) 4545 x 1785 x 1530
車両重量(kg) 1420
エンジン種類 直4DOHC+ターボ+スーパーチャージャー
総排気量(cc) 1389
最高出力[ps/rpm] 160ps/5800rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 24.5kg-m/1500-4500rpm
車両本体価格 322万円
(Tester/島下泰久 Photo/尾形和美)