乗り味はしっとりスムーズ。丹念に作り込まれたポップカー

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コンセプト

ポロより小さいVWのエントリーモデル

ルポはポロに比べ、全長/ホイールベースがさらに225mm/90mm短く、幅も20mm小さい。正真正銘、VWの最コンパクトカーだ。ヨーロッパでは1998年9月から発売されており、広く親しまれていた。2001年7月から、やっと日本市場でも乗れることになった。

VWらしい作り込み、高品質感が無論ベースにあるが“キャラ”はニュービートル的にポップ。打ち出しもUNIQLO風で、新聞広告を使い、週替わりで3色のボディ色を“告知”するなどしている。

日本仕様は1.4Lエンジン搭載の4速ATモデルを設定。標準モデル(149.9万円)と、8スピーカー&MD付きオーディオ、パワーウインドウ、センターロッキング(集中ドアロック)を装備する「コンフォートパッケージ」(159.9万円)を用意する。
室内&荷室空間

室内は“コンパクト”を言い訳にしない広さ

前席カップホルダーが2個(ポロは1個+カードホルダー)備わる点に、ルポのコンセプトが象徴されている。つまり、ポロよりもっとパーソナルに女性ユーザー(と友達)が乗るイメージを狙ってるのだ。が「ルポだからと言い訳したくなかった」(フォルクスワーゲングループジャパン)ので、後席はシート幅の広い3人掛けを採用し、ヘッドレストもキチンと3人分を用意する。

インパネは、メーターバイザー形状、フタ付きグローブボックスの有無の違いなどがあるが、基本的にポロと共通デザイン。ボディ色は室内に露出していて、明るい雰囲気がイイ。前席中心と考えれば広さも十二分。表皮柄はドアトリムが“猫”でシートが“ネズミ”と遊び心にあふれる。トランクは毎日の買い物に適した広さだ。
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ドライブフィール

クラスを感じさせないしっとりした走りを実現

何といってもイイのは、小さい車なのに、乗り味がしっとりとスムーズで、かつフラットであること。以前のドイツ車的なゴワゴワした感触はもはやなく、カーブでスーッ!と自然にロールする様などはフランス車のよう。ポロやゴルフと“同等”の乗り味だ。

エンジン性能も十分。街中でちょっと急ぎたい場合は、アクセルを深く踏めば流れをリードする加速が得られるはずだ。ATの変速ショックの小ささも評価したい。100km/hは4速で3000rpmを少し切り、エンジン音/振動ともに十分に抑えられている。

ボディのシッカリ感はさすがVWだ。熱帯地域仕様という日本仕様車のエアコンの利きも十分だ。リアブレーキも14インチに拡大されており、制動力は不満なし。
こんな人にオススメ
日本に、なぜルポやスマートのような車がないのかが不思議。「RVとかじゃなくて、自分専用の普通のコンパクトカーが欲しいよね」と思う老若男女すべての人にオススメの車。運転がしやすく、快適で、安全性能も含め、コンパクトカーのネガティブさがないのがいい。
SPECIFICATIONS
グレード コンフォートパッケージ
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 3525 x 1640 x 1475
ホイールベース(mm) 2320
車両重量(kg) 1000
乗車定員 5人
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1389
最高出力 55kW(75ps)/5000rpm
最大トルク 126N・m(12.8kg-m)/3800rpm
車両本体価格 159.9万円
写真:渡邉英昭 文:島崎七生人