メルセデス・ベンツ Eクラス(大谷達也)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
タグ: セダン
2013/07/29
良質なサルーンを求める層に幅広くオススメできる。ダウンサイジング、ディーゼル、ハイブリッドと3つの省エネエンジンが揃うのも魅力。さらに進化した自動追随システムはあくまでもドライバー支援が目的なので、その点はくれぐれもお間違いなく!
これが現行Eクラスの完成形だ!
「メルセデス史上、最高傑作のE」
2年前にCクラスがビッグマイナーを実施したときのキャッチコピーに倣えば、これは間違いなく「メルセデス史上、最高傑作のE」である。
ゴードン・ワグナーが手を加えたデザインは、ボディサイドのキャラクターラインがシンプルになって現代風に生まれ変わり、ハイテク・ドライバー・サポートが充実したことで前走車に合わせてステアリングが追随する機能まで登場した。
エンジンは軒並み新世代に置き換わり、E250に積まれる4気筒2Lエンジンは成層燃焼リーンバーンとターボを組み合わせて15.5km/Lの低燃費を実現したほか、やはり新開発の3L V6Blue TECエンジンは、遮音性の向上もあっていまやガソリンエンジンと遜色のない静粛性とディーゼルターボならではの力強い加速感を両立させている。さらに3.5L V6の新型ハイブリッドも用意された。
メルセデスの保守本流セダンはかくあるべき
もっとも、そうしたテクノロジーの進化以上に私の心をつかんで離さなかったのが、劇的ともいえる乗り心地の改善だった。
なにしろ、フルモデルチェンジ直後のやや荒れた印象や収まりの悪さはすっかり影を潜め、しなやかでありながらフラット感の強い快適な足回りに生まれ変わっていたのである。かといってワインディングでヨタヨタするかといえばそんなことはなく、ロールは多少大きめながら安定したスタンスでコーナーをクリアする。
最近は猫も杓子もスポーティな車作りを目指しているが、メルセデスの保守本流セダンはかくあるべきだとずっと信じてきた。この変化を心から歓迎したい。
もっとも、新型がここまでよくなると、かわいそうなのはフルモデルチェンジ直後に購入したユーザー。というわけで「どうせ買うならマイチェン後」なんてジンクスが生まれないよう、メルセデスにはさらなる努力をお願いしておく。
SPECIFICATIONS
グレード | E400 HYBRID AVANTGARDE | ||
駆動方式 | FR | ||
トランスミッション | 7AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4880×1855×1455 | ||
ホイールベース(mm) | 2875 | ||
車両重量(kg) | 1860 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | V6DOHC | ||
総排気量(cc) | 3497 | ||
最高出力[ps/rpm] | 306/6500+27 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 370/3500-5250+250 | ||
車両本体価格(万円) | 890 |