※この記事はカーセンサー関東版18号2000年5月18日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

トヨタで最大級の室内空間を誇る、上質さを目指したセダン

  • トヨタ プロナード 走り|ニューモデル試乗
  • トヨタ プロナード リアスタイル|ニューモデル試乗
↑大柄なボディの割に車両重量は1500kg程度に抑えられ、走りには十分な余裕がある(左)三角形のテールランプに目新しさはないが、バックランプのデザインが特徴的(右)
アバロンの後継モデルとして登場したプロナードは、相当に大きなFFセダンだ。クラウンのロイヤル系に比べ、全長で75mm、全幅で55mmも大きいのだから、日本の道路交通環境の中で使おうとすると、制約を受ける機会もけっこう多くなるほどのサイズだ。

ただ、サイズの余裕とFF方式を活かして室内は広々としたものになる。大柄な大人が後席でゆったりと足が組めるくらいの広さがあり、圧倒的なトランクスペースを含めて、広さからくるユーティリティの面では文句のない車である。

Lにはフロントにベンチシートが用意され、イザという時には6人まで乗れるし、サイドウォークスルーも可能となる。選ぶユーザーは少ないかもしれないが、選択肢が増えたのは歓迎していい。

高級車らしさを表現するために静粛性にも力が入れられた

  • トヨタ プロナード インパネ|ニューモデル試乗
  • トヨタ プロナード エンジン|ニューモデル試乗
↑左右に大きく広がったメーターグラフィックは、室内のワイド感を強調する(左)V型6気筒の1MZ-FE型エンジンはVVT-i仕様で性能を向上させた(右)
搭載されるV型6気筒3Lの1MZ-FEエンジンはVVT-i仕様になって、パワー&トルクが向上している。大柄なボディの割に重量も1500kg程度に抑えられているので、走りには十分な余裕がある。

アメリカ市場を対象に作られた車とあって、乗り心地はかなり柔らかめのものだ。コーナーなどでのロールは相当に大きい。これは電子制御サスでも標準サスでも変わらない印象だ。

高級車らしさを表現するために静粛性に力を入れたそうだが、それなりの成果が出ている。高速道路を100km/hでクルージングするなら相当に静かで快適。エンジン音はほとんど侵入せず、わずかに風切り音が気になる程度だ。また、カーナビなど、快適装備の充実度も高いレベルにある。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 3.0 Gパッケージ
駆動方式 2WD(FF)
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4895×1820×1460
ホイールベース(mm) 2720
車両重量(kg) 1540
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 2994
最高出力[ps/rpm] 215ps/5800rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 30.5kg-m/4400rpm
10・15モード燃費(km/L) 9.7
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/70
車両本体価格 380.0万円

松下 宏の責任採点

コンセプト 2点 取り回し 2点 加速性能 4点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 3点 乗り心地 4点 環境対策 4点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 5点 操縦安定性 4点 燃費 3点
後席居住性 5点 パワー感 4点 高速安定性 4点 ステータス 3点
内装の質感 4点 トルク感 4点 しっかり感 3点 コストパフォーマンス 3点
得点合計 75/100
(Tester/松下 宏 Photo/桜井 健雄)