トヨタ SAI|ニューモデル試乗

基本プラットフォームに手は入れられていないがフルモデルチェンジに近い印象を感じる1台。特徴であるセンターキャビンが活き、コックピット感が増した

レクサスを凌駕する個性的なデザインを獲得

HVシステムのアップグレードで燃費が向上

レクサスのハイブリッドセダンHS250とメインの骨格を共有するトヨタのハイブリッド専用モデルがマイナーチェンジした。

基本プラットフォームには手が入っていないが、センターキャビンを除いてデザインはすべて刷新され、フルモデルチェンジに近い印象さえ感じる。特にインテリアは従来と印象が異なる。

特徴的な造形のセンターコンソールにメリハリを利かせ、コックピット感を増している。木目調のパネルは本木目のように精巧だ。

メーターナセル(メーターのカバー)やステアリングのレザーステッチが太く存在感を主張し、高級感もかなり増した。

試乗したグレードは上級のG。明るいベージュと茜(あかね)色を組みあわせたファブリックのシートは華のある仕様である。

まずドアを閉めた感じから防音に気を使っているのが分かる。レクサスHSのレベルに近づける工夫はされているようだ。アイドリングストップからのエンジン再始動はかなり静かになった。

エンジンは従来の2.4Lのままだが走りに不足はない。HVシステムのアップグレードで燃費が良くなり、車内へのノイズ進入も抑えられた。

高速で快適な18インチ。バランスの良い16インチ

メーカーオプションの18インチホイールを装着した仕様は、乗り心地の良さを求めすぎたのだろうか、街中ではボディのバイブレーションが抑え込めていない印象だ。

標準装備の16インチのほうがタイヤのダンピングとダンパーのマッチングが良く、乗り味は非常に良好だった。ただし高速道路では18インチの面目躍如たる非常に快適かつ安定感ある走りを披露した。

新装したSAIは従来より価格を17万円下げ、321万円~という価格設定とし、レクサスHSとは一線を画す高級ハイブリッドセダンとしての明確なキャラクターを打ち出している。

特にデザイン上の個性に関しては、レクサスのそれを凌駕している。

左右のライトを繋ぐLEDのクリアランスランプが印象的なフロントマスクと同様、リアも同じテーマでデザインされ統一感が出ている

左右のライトを繋ぐLEDのクリアランスランプが印象的なフロントマスクと同様、リアも同じテーマでデザインされ統一感が出ている

運転席まわりの造形は従来同様、二階層のセンタークラスターを採用。マウスを扱うような感覚でナビなどを操作できるリモートタッチが付く

運転席まわりの造形は従来同様、二階層のセンタークラスターを採用。マウスを扱うような感覚でナビなどを操作できるリモートタッチが付く

写真は上級グレードGにオプション設定された本革シート。高級ハイブリッドセダンとしてキャラクター付けされている。標準はファブリックシートとなる

写真は上級グレードGにオプション設定された本革シート。高級ハイブリッドセダンとしてキャラクター付けされている。標準はファブリックシートとなる

SPECIFICATIONS

グレード S G “A パッケージ”
駆動方式 FF
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4695×1770×1485
ホイールベース(mm) 2700
車両重量(kg) 1570 1590
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC+モーター
総排気量(cc) 2362
最高出力[kW(ps)rpm] 110(150)/6000+105(143)
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 187(19.1)/4400+270(27.5)
JC08モード燃費(km/L) 22.4
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/55
車両本体価格(万円) 321.0 421.0
Tester/松本英雄 Photo/尾形和美