重厚からマイルドへ、街中でも快適な乗り心地に変身

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コンセプト

マイナーチェンジで幅広い層へ再アピール

フロントウインドウをぐっと前に出し、全長に対して従来よりも広い(長い)室内を設定した新パッケージングがオーパの特徴。

この提案型“新セダン”の前席着座位置(ヒップポイント)はやや高めの地上から600mm……なのだが、このデータと説明が最新カタログから消えているのはなぜ!?

このマイナーチェンジの意図は、顔つきからはアク抜きをして、そして室内にはアイデアを盛ろうということのようだ。

装備面ではブレーキアシストの全車標準、ディスチャージヘッドランプの新採用などが目につく。クロスメンバーが増設されるなどプラットフォームにも手が入れられ、ボディ剛性も高められている。ルーフに新設された可倒式ショートポールアンテナは、スタイリング上のアクセントとなる。
室内&荷室空間

内装は金属パーツでゴージャスに変貌

このチェンジでは、インテリアとヘッドランプなど外装が変更された。顔つきからアクを取り、インテリアには“リッチさ”をというのがその考え方のようで、顔つきはおとなしくなったものの、一方ドライバー席の周りには金属的な光沢のパーツが増えた。まあインパネからドアまで続くファブリック・オーナメントでそれを相殺しようというのかもしれないが、インテリア全体がかなり眩しくなった印象は拭えない。

とはいえ、後席のニールーム&ヘッドルームの余裕は特筆もの。このあたりは、全長に対して長いホイールベース、全高1525mmという新パッケージング提案車オーパの本領発揮というところ。なお、スポーティシートのSパッケージのみシートカラーがダークで、他グレードと印象を異にする。
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ドライブフィール

乗り心地の柔らかさを重視したセッティングに変更

スッと乗り込める設定の高めのシート高は、さすがの新パッケージング。また、フロントウインドウがはるか遠くにあるような設定も新鮮。ただ、こうしたパッケージングと引き換えに、例えばAピラーが二重になってしまう視覚的な煩雑さを生んではいるが。

さて試乗モデルは2.0。デビュー当時は、重厚感の2.0、軽快な挙動の1.8といった作り分けになっていたが、この新型の2.0は、当時よりも乗り心地の柔らかさをさらに追求したセッティングという印象。ロールも速くて大きめになり、山道よりも街中のほうが本領を発揮しそうな足。ただ今回のマイナーチェンジは、この足にせよ外観にせよ、なぜか一生懸命に“フツーに”なろうとして、オーパ本来のアピール性を失いかけているという感をもつのは筆者だけ?
こんな人にオススメ
ヴィッツやラウムで高いヒップポイントに慣れ、もうそれが低い車には乗りたくない、しかしミドルサイズという分野で適当なものはないの?とお探しの方々へ。メーカー装着のアルミホイールが欲しければiグレードを選ぶしかないが、安価なaグレードでもLパッケージにしておけば、装備はかなり充実。
SPECIFICATIONS
グレード 2.0i Sパッケージ
駆動方式 FF
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4250×1695×1525
ホイールベース(mm) 2700
車両重量(kg) 1270
乗車定員 5人
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1998
最高出力 112kW(152ps)/ 6000rpm
最大トルク 200N・m(20.4kg-m)/4000rpm
車両本体価格 220.5万円 
写真:奥隅圭之 文:家村浩明