ディーゼル・エンジン|自動車なんでも用語集

ディーゼル・エンジン(でぃーぜる・えんじん)/[エンジン]

空気のみを強く圧縮し、温度が着火温度以上になった時、燃料を噴射して燃焼させる圧縮着火エンジンのこと。構造自体はガソリン・エンジンと大きな違いはないが、爆発する時の仕組みが異なる。圧縮して高温になった空気に燃料を噴射することで起こる「自己発火」により爆発を起こすため、ガソリン・エンジンのようにスパークプラグを必要としない。また、燃料としてガソリンよりも着火点が低い軽油が用いられている。

利点としては、空気のみを圧縮する希薄燃料であるため、走行燃費に優れていること。一方、欠点としては、騒音や振動、重量などが挙げられる。

日本では商業車やトラック、バスなどに用いられ、イメージが悪いディーゼル・エンジン。しかしヨーロッパでは、燃焼効率に優れ、燃料消費率が少なく、同排気量のガソリン・エンジン車と比べてCO2排出量が約30%も低いことから、環境エンジンとして注目され、普通乗用車への採用が進んでいる。一例を挙げれば、日本市場に投入されているメルセデス・ベンツ E320 CDIに搭載されているディーゼル・エンジンは、従来の規制値に比べ、排出ガスのNOx(窒素酸化物)とHC(炭化水素)を55%削減することを目標にした「新長期排出ガス規制」に適合するなど、排出ガス中の汚染物質の低減に成功している。