BMW X2(2代目・現行型)▲X2(2代目・現行型)はBMWがSACと呼ぶ、SUVとクーペの融合を図ったモデル。デビューから約1年で中古車市場も少しずつ充実してきた

鮮度抜群の2代目X2を中古車でチェック

BMWで「X」の後に偶数の数字が続くモデル名の車種は、SUVとクーペを融合させたクロスオーバーのこと。X2はその中でも最もコンパクトなモデルだ。

もともとBMWはX1、X3などについて「SUV」という呼称を使わず、「SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)」と呼んできたが、X2などについては新たに「SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)」を名乗った。その名のとおり、流麗なスタイリングとアクティブな走りが特徴となっている。

初代が登場したのは2018年4月のこと。その新鮮味がまだまだ薄れていなかった2023年10月、早々と2代目へとフルモデルチェンジした。

X2(2代目・現行型)のデビューから約1年、中古車市場はどうなっているのだろう? X2(2代目・現行型)のモデル概要を振り返りつつ、最新の中古車状況を見ていこう。

BMW X2(2代目・現行型) ▲初代と異なり、一般的な機械式駐車場に収まるボディサイズではなくなったものの、居住性や使い勝手は大幅に向上した

▼検索条件

BMW X2(2代目・現行型)× 全国
 

1. X2(2代目・現行型)のモデル概要:よりスタイリッシュに!

初代と同じモデルとは思えないほど、2代目は大胆にスタイリングを変えた。初代はリアオーバーハングをすぱっと裁ち切るハッチバック的スタイルだったのに対して、2代目はより伸びやかで “クーペらしい” フォルムに。

ボディラインについても初代は丸味を帯びていたが、2代目はエッジを強調。フロントグリルは下部が広がった六角形から、上下左右シンメトリーに近いデザインとなった。ドアハンドルがレバー式からフラップ式へと変わったことも、見た目がすっきりした理由に違いない。

ボディサイズは全長4555~4565mm×全幅1845mm×全高1565~1575mmで、すべての寸法が初代に比べて拡大。車内空間が広がるとともに、トランクルームが長く、大きくなり、実用性も向上した。フル乗車時で560L、最大1470Lという荷室容量は、近いボディサイズの国産SUVと比べても優秀だ。

その走りは、速度域が上がってもシャッキリ感が変わらない、いかにもBMWらしいもの。日本では標準グレードがMスポーツ仕様で19インチタイヤを履いているために、街中での走行ではやや硬さも目立つ。だが、凹凸のショックを懐深く収める所作には素晴らしいものがあり、ドイツ車好きをきっと満足させてくれるだろう。

BMW X2(2代目・現行型) ▲カーブドディスプレイが印象的なインテリア。写真は「M35i xドライブ」のもの
BMW X2(2代目・現行型) ▲スタイリッシュなだけでなく、機動力や乗降性、荷室の使い勝手にも優れているのがX2(2代目・現行型)の魅力だ
 

2. X2(2代目・現行型)のグレード構成:標準仕様でも十分スポーティ

日本で販売されるX2(2代目・現行型)のグレードは2種類。以下のとおりだ。

「xドライブ 20i Mスポーツ」:2Lガソリンターボエンジンを搭載する、日本での標準グレード。
「M35i xドライブ」:2Lガソリンツインターボエンジンを搭載するホットモデル。

「xドライブ」は四輪駆動のこと。つまりX2(2代目・現行型)は全車4WDとなる。Mスポーツは可変容量ショックアブソーバーなどを備えるスポーティ仕様のことだ。

「20i」でも動力性能、運動性能については申し分ない。低回転域からトルク感があり、高回転域でのパンチもあるエンジンだ。10秒間の時間制限つきでパワフルな加速が味わえる「ブースト機能」も、走りの楽しさを増してくれる。

BMW X2(2代目・現行型) ▲ホットモデルの「M35i xドライブ」は標準仕様のデビュー翌年の2024年3月に追加された

「M35i」はいわゆるホットモデルで、最高出力233kW(317ps)/5750rpmを発生するツインターボエンジン、機械式LSD、専用のスポーツサスペンションなどを装備。Mパフォーマンスモデル特有の刺激的な走りが実現されている。

なお、同じプラットフォーム、デザインを用いたEVとして「iX2」もラインナップされているが、こちらは別車種としての扱いだ。

 

3.中古車市場の状況:供給量は多くないもののお買い得物件が豊富

X2(2代目・現行型)が中古車市場に供給され始めたのは、2024年5月頃から。それから約半年が経過した2023年11月時点の中古車流通台数は60台。リリースが始まってからまだ半年しか経過していないこともあり、中古車市場に流通している物件の多くが走行距離7000km未満、中でも5000~7000kmの物件が最も多くなっている。2023年12月24日時点、価格のボリュームゾーンは540万~560万円、中古車平均価格は550万円前後だ。

中古車平均価格に大きな変化はないが、経年によって少しずつ下がっているごく一般的な傾向となっている。

 

BMW X2(2代目・現行型) ▲X2(2代目・現行型)における2024年5月~11月の中古車流通台数推移
BMW X2(2代目・現行型) ▲X2(2代目・現行型)における2024年5月~11月の中古車支払総額推移

カーセンサーに掲載中の物件を見てみると、比較的安い価格帯にあっても走行距離の少ない物件が多く、新車に対するお買い得感が高い。例えば総額520万円の「xドライブ 20i Mスポーツ」なら新車価格から100万円以上+諸経費が安くなる計算だ。

今後、中古車供給量が少しずつ増えてくれば中古車平均価格がさらに下がる可能性もあるが、この水準なら現時点で決断したとしても決して損はないだろう。
 

 

4.オプション装着車のすすめ:「ハイラインパッケージ」装着車がオトク

オプション装着車をオトクな価格で手に入れられるのも、中古車を選ぶメリットのひとつだ。

X2(2代目・現行型)は「xドライブ 20i Mスポーツ」でも先進安全機能や大型ディスプレイはもちろん、ヒーター付き電動スポーツシートなどの装備もすべて標準。充実した標準装備内容となっているが、オプションが装着されることでさらにラグジュアリー度がアップする。

「xドライブ 20i Mスポーツ」のオプションは、運転席アクティブシートやハーマンカードン製HiFiスピーカーシステム、専用インテリアトリムなどがセットになった「ハイラインパッケージ」がメイン。

例えば、「ハイラインパッケージ」が装着された「xドライブ 20i Mスポーツ」の物件は2024年式(5月初度登録)・走行距離0.8万km・修復歴なしで総額517.8万円。「ハイラインパッケージ」のメーカー希望小売価格は29万円なので、新車価格+オプション価格よりも150万円近くオトクになる計算だ。

この他、ボディカラーやインテリアカラー、アルミホイールにもオプション品が存在する。良コンディションの物件が豊富な現在、装着されているオプションに注目して物件を選ぶのも一案だろう。

BMW X2(2代目・現行型) ▲ハーマンカードン製スピーカーシステムは、「ハイラインパッケージ」のみで選べるオプションだ

▼検索条件

BMW X2(2代目・現行型)× ハイラインパッケージ × 全国

▼検索条件

BMW X2(2代目・現行型)× 全国

※記事内の情報は2024年12月23日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/BMW
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。